社会教育・福祉・コミュニティ支援を統合するシステムと理論、専門職形成の比較研究
【研究分野】教育学
【研究キーワード】
社会教育 / 福祉 / コミュニティ支援 / Social Pedagogy / 専門職 / 社会教育福祉 / コミュニティ / Community Education / 教育福祉士 / 社区教育 / マハッラ / ヘムゴード / 地域福祉 / ソーシャル・ペダゴジー
【研究成果の概要】
社会教育と地域福祉とコミュニティ支援の機能を統合し、地域社会においてウェルビーイングを醸成するような地域のシステムと理論を考察した。その統合的実践を担う専門職の養成と動態を分析し、新たな専門職形成の可能性を探究した。その際、日本の典型的な自治体の分析と、9か国にわたる比較研究を行った。日本を中心に、アジア型、ゲルマン型、アングロ・サクソン型に類型化し、各国のシステムと理論を考察した。また、専門職形成の分析を通して、社会教育と地域福祉とコミュニティ支援を統合する新たな専門職像を提起した。成果として『社会教育と福祉と地域づくりをつなぐー日本・アジア・欧米の社会教育職員と地域リーダー』を刊行した。
【研究の社会的意義】
日本の社会教育と社会教育職員の置かれた状況は厳しい。その背景には、社会教育の存在意義が認識されなくなってきたという点が挙げられる。社会教育は生涯学習と同義とされ、趣味的教養的な自己実現のための学習として受益者負担とされ、公費を持って実施する必要はないという行政判断が働いている。しかし、社会教育は、教育を社会化するところに歴史的な意義があり、趣味的教養的な学習にとどまるものではない。現在では、社会教育は地域福祉と密接なつながりを持ち、より善き地域社会を創り上げていく役割を担っている。本研究は、その活動を担う専門職の在り方について、実証的比較研究によって考察した点に学術的社会的意義がある。
【研究代表者】