「検証的」独立成分分析と独立因子分析の研究
【研究分野】統計科学
【研究キーワード】
独立成分分析 / 独立因子分析 / 構造方程式モデリング / 識別性 / 高次モーメント / 高次キュムラント / 検証的分析と探索的分析 / モデルの適合度 / 独立成分分析(ICA) / 構造方程式モデリング(SEM) / 因子分析 / 独立性 / 共通性 / 誤差共分散 / 因子仮説 / 変数選択 / 独立 / 因子回転 / 共分散構造分析
【研究成果の概要】
1.独立成分分析(ICA)と構造方程式モデリング(SEM)に関する国際会議を大阪大学コンベンションセンターにおいて2001年7月に開催した.同会議は,計量心理学会国際大会(IMPS2001)と同時開催し,IMPS2001の中の2つのセッションとして実行された.招待講演者として,A. Hyvarinen(フィンランド),S. Akaho(電総研),M. Minami(統計数理研究所),P. Bentler(米国),Sik-Yum Lee(香港),A. Mooijaart(オランダ)を招聘した.SEMから発せられた検証的分析の考え方を如何にICAに組み込むか,という課題について議論した.両セッションとも参加人数が多く盛況であった.なお,P. Bentler氏は本研究課題における海外共同研究者である.
2.SEMの枠組みにおいて特殊因子と共通因子が従属変数へ影響するというモデルが重要であることを指摘した.しかし,同モデルはSEMの枠組みでは識別可能でなく推定できない.このような状況においても,因子に非正規性と独立性を設定すれば,同モデルはAに特殊な構造をもつ検証的IFAとなり推定可能であることが示された.
3.元信号(潜在変数)sに非正規かつ独立性を仮定することで,SEMで分析できないモデルも分析できるようになることが指摘された.例えば,正規誤差がどのような共分散構造をもっていても分析可能であり,また,Aに構造がない探索的なモデルで因子数が相等大きい場合であっても(e.g.,観測変数と同じ数),同モデルは推定可能であることが示された.
4.高次モーメントを用いて,非正規の構造モデルにおいて適合度を吟味する方法を提案した.
【研究代表者】