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東京大学 研究Discovery Saga
2025年3月21日

池田家文庫岡山藩政史料の画像公開を開始

―東京大学史料編纂所・岡山大学附属図書館の連携による―研究成果

【産学連携対象 全学共通分野 Discovery Saga】
情報学複合領域数物系科学化学工学総合生物
【Sagaキーワード】
画像データ/デジタル画像/情報サービス/高精細画像/データベース化/江戸時代/フィルム/インフラストラクチャー/マイクロ/Hi-C
  • 史料編纂所

  • 掲載日:2025年3月17日

    発表者

    【東京大学史料編纂所】
    杉本 史子 東京大学名誉教授(兼:東洋文庫 専任研究員)
    箱石 大 教授
    山田 太造 准教授
    菊地 智博 助教
    【岡山大学】
    学術研究院社会文化科学学域 東野 将伸 准教授
    附属図書館 学術情報サービス課 調査相談グループ
    大学院社会文化科学研究科 政次 加奈子 (博士後期課程)

    発表の概要

     東京大学史料編纂所は岡山大学学術研究院社会文化科学学域・東野将伸准教授との共同研究において、岡山大学附属図書館所蔵「池田家文庫」(注1、以下「池田家文庫」)の幕末期史料の分析を行い、その一環として過去に東京大学史料編纂所が撮影した高精細画像を含む池田家文庫の史料画像約1万コマを、東京大学史料編纂所Hi-CAT Plus データベース(注2)よりウェブ公開しました。2025年1月に東京大学と岡山大学附属図書館が締結した覚書に基づくもので、2025年度にかけて織豊期の史料画像など約4千コマの追加を予定しています。
    池田家文庫は旧岡山藩主池田家旧蔵の、岡山藩・池田家に関する歴史資料・和書・漢籍など約10万点にのぼる史料群で、中世期の書状から幕末・維新期の政治関係史料までを含む巨大なアーカイブです。しかし画像のWEB公開は途上にあり、今回の公開は近世・幕末維新期の岡山藩研究や、明治維新に池田家が果たした役割の解明など、広汎な研究進展につながることが期待されます。

    発表内容

    【経緯】
     幕末期に岡山藩主となった池田茂政(注3)は、前水戸藩主徳川斉昭(注4)の子という立場を活かし、京都を中心とする政局に積極的に関与したことが知られています。東京大学史料編纂所と岡山大学の東野将伸准教授は、池田茂政という人物に着目し、幕末維新期の岡山藩政や池田家について研究を進めています。今回公開する画像の大部分を占めるのは、東京大学史料編纂所が1980年代に撮影した、茂政やその側近らが発受した書状類の史料写真です(図1)。岡山藩池田家と言えば、江戸時代初期の池田光政が著名でしたが、本研究により、幕末維新期の池田家の役割が、水戸藩や忍藩などの関係をふまえた多角的な視点から浮かび上がってきました。
    さて、池田家文庫は1990年代にマイクロフィルム化され市販されていますが(注5)、近年岡山大学附属図書館が行った絵図や貴重書の高精細画像のウェブ公開、国文学研究資料館が行った市販マイクロフィルム画像のウェブ公開を経ても、その大半へのアクセス手段は限定されているのが現状です。
    今回、東京大学史料編纂所は岡山大学附属図書館との連携により、Hi-CAT Plus上において1976年以降2023年までに編纂・研究のため収集した史料画像を公開し、また新たに史料の詳細目録を公開しました。画像と詳細目録の公開は2025年度も継続し、岡山大学附属図書館の池田家文庫マイクロフィルム目録データベース(注6)からもアクセス可能とする予定です。
    図1:池田家文庫の幕末期書状群(C8-370〔慶徳侯書状〕) 鳥取藩主池田慶徳が忍藩時代~岡山藩時代の実弟・池田茂政に宛てて記した書状類。このほかにも多数の重要な書状が残されている。
    【今回公開する史料】
    合計 2,330点(10,861コマ)
    ※史料編纂所撮影によるマイクロフィルムスキャンモノクロ画像および高精細カラーデジタル画像
    ・幕末維新期書状類(国事周旋関係書状等):2,273点(7,846コマ)
    ・幕末維新期編纂史料(『史料草按』ほか):17点(1,073コマ)
    ・池田茂政関係和書類:23点(1,022コマ)
    ・池田家伝来和書(池田家本『宝治百首』など):17点(920コマ)
    【画像公開】
     Hi-CAT Plusの利用条件および岡山大学附属図書館の利用案内をご参照ください。
     なお2025年度中に、岡山大学附属図書館池田家文庫マイクロフィルム目録データベースからのアクセスも可能とする予定です。
    東京大学史料編纂所 Hi-CAT Plus:https://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/w81/search
    Hi-CAT Plus 利用条件:https://www.hi.u-tokyo.ac.jp/faq/reuse_ikeda/
    岡山大学附属図書館 貴重資料利用案内: https://www.lib.okayama-u.ac.jp/collections/kicho_tetsuduki.html
    【研究助成】
     本研究は、東京大学史料編纂所共同利用・共同研究拠点一般共同研究「「池田茂政関係史料群」の形成過程の解明と研究資源化」(2024年度)およびJSPS人文学・社会科学データインフラストラクチャー強化事業(課題番号:JPJS00320231001)の支援により実施されました。

    用語解説

    (注1)池田家文庫……旧岡山藩主池田家に伝来した、初代岡山藩主池田光政が寛永9年(1632)に鳥取から岡山城に入部して以来、明治4年(1871)の廃藩置県に至るまでの約240年の岡山藩藩政資料及び岡山藩池田家伝来の図書類の総称。藩政資料68,083点、和書4,166部(22,117点)、漢籍653部(10,420冊)から成り、戦後岡山大学に寄贈された。
    (注2)Hi-CAT Plus……東京大学史料編纂所の史料画像公開用データベース。過去に撮影・収集した国内外の画像データを搭載し、所蔵者の許可を得られたものを外部に公開している。https://wwwap.hi.u-tokyo.ac.jp/ships/w81/search
    (注3)池田茂政(いけだ もちまさ)……幕末期の岡山藩主(在任:文久3年(1863)~慶応4年(1868))。水戸藩主徳川斉昭の九男として生まれ、のち忍藩松平家に養子入りするが、斉昭が安政の大獄で処罰されたことで廃嫡された。池田家に養子入りして岡山藩主となると実兄の鳥取藩主池田慶徳らとともに尊王攘夷派として京都政界への周旋活動を進めた。
    (注4)徳川斉昭(とくがわ なりあき)……第9代水戸藩主。尊王攘夷思想に基づき度々幕府に海防を献策した。養子に出された実子は15代将軍徳川慶喜をはじめ鳥取藩主、川越藩主、浜田藩主などとなり幕末期の政治に関与した。
    (注5)池田家文庫藩政資料マイクロ版集成……1991年から2年余りをかけて行われた池田家文庫のマイクロフィルム撮影事業の成果として1993年、丸善より発売された。
    (注6)池田家文庫マイクロフィルム目録データベース……池田家文庫のマイクロフィルム撮影に際して作成された岡山大学附属図書館編『改訂増補池田家文庫マイクロ版史料目録』(丸善、1992年)をデータベース化したもの。https://ousar.lib.okayama-u.ac.jp/ikedake/micro/ja

    お問い合わせ先

    〈研究内容についての問い合わせ〉
    ◆東京大学史料編纂所
    助教 菊地 智博(きくち ちひろ)
    Tel:03-5841-8410
    E-mail:c-kikuchi*hi.u-tokyo.ac.jp(*を@に変更してください)
    ◆岡山大学学術研究院社会文化科学学域
    准教授 東野 将伸(ひがしの まさのぶ)
    Tel:086-251-7409
    E-mail:mhigasino*okayama-u.ac.jp(*を@に変更してください)

    〈報道に関する問合せ〉
    東京大学 史料編纂所 IR・広報室
    Tel:03-5841-1615
    E-mail:ir*hi.u-tokyo.ac.jp(*を@に変更してください)

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