説明可能AIによるトモシンセシス画像診断支援システムの開発
【研究キーワード】
乳癌 / 画像診断 / 深層学習 / 人工知能
【研究成果の概要】
2021年度は、2020年度までに実施した研究の規模を広げた。乳癌症例をこれまで500症例であった症例を1000例へと増やし、正常・良性石灰化・良性腫瘍・悪性腫瘍を分類するAIモデルの学習を行った。左右差を比較するアルゴリズムを組み込んだAIモデルを構築し、以前よりも精度の向上が得られている。読影医師が行っている乳腺左右比較をモデルに組み込んだAIの開発は、医師の読影の過程を取り込んだ説明可能AIによる画像診断の一端を担う技術である。
また、施設間のAI精度によるドメインシフトの問題について検討するために、まずは自施設データのデータの疾患割合を調整したうえで、それがAI診断の精度にかかわるのかを検証した。予想と同様に、疾患割合の低い画像データを用いたAIによる学習では、診断の精度は十分に上がらず、今後学習モデルの作成にむけて有病率を加味したデータセットの構築を工夫する必要がある。
学習に必要なデータ選定フローの確立・腫瘍データの取り出し・AI学習に必要な画像の事前処理を行うとともに、今後研究で必要となるモデルについて周辺技術のサーベイと我々の研究への応用の方向性について議論を深めた。
また2021年度はこれまで扱ってきた聖路加国際病院の画像データに加えて、東北大学病院の画像データの取り出しと、事前画像処理を行い来年度にむけての準備を行った。聖路加国際病院のデータはトモシンセシスのみであったが、東北大学病院では、トモシンセシスに加えてマンモグラフィーを扱う。
【研究代表者】