【研究分野】機能生物化学

【研究領域課題番号】15K14473 (KAKENデータベースで見る）

【研究キーワード】

細胞増殖因子 / チロシンキナーゼ / 受容体 / サイトカイン / 増殖因子受容体 / シグナル伝達 / 増殖因子 / ペプチド / HGF / MET / 特殊環状ペプチド

【研究成果の概要】

細胞増殖因子受容体をダイマー化する人工リガンド技術は再生医療に応用可能であるとともに、従来にない生物活性をもつ人工リガンドを創成できる可能性が考えられる。本研究は、異なる受容体同士を人為的にダイマー化することで、ヘテロ受容体のシグナル活性化につながるかを検討した。ダイマー形成の評価系としてsplit luciferase系と原子間力顕微鏡による解析系を確立した。一方、MET受容体、RET受容体、IGF受容体についてヘテロダイマー形成を誘導したが、シグナル活性化は認められなかった。増殖因子受容体の新たな組合せを検討し、ヘテロ受容体活性化人工リガンド創成の可能性を検討することが必要と考えられた。

【研究種目】挑戦的萌芽研究

【研究期間】2015-04-01 - 2017-03-31

【配分額】3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)

【研究分野】産婦人科学

【研究領域課題番号】14207064 (KAKENデータベースで見る）

【研究キーワード】

アディポネクチン / レセプター / 子宮内膜 / 着床 / 炎症 / サイトカイン / ミッドカイン / 子宮内膜症 / GnRHアナログ / BrdU取り込み / 腹腔内貯留液 / 卵胞液 / 血管新生 / 妊娠中毒症 / sVEGFR-1(sFlt-1) / IP-10 / 血管新生抑制薬 / マウス子宮内膜症モデル

【研究成果の概要】

【目的】Adiponectin(Ad)は、抗血管新生、抗糖尿病、抗動脈硬化、抗炎症作用を持つ重要なサイトカインである。血清Ad濃度の低下が子宮内膜症や子宮内膜癌の患者で報告されており、Adが子宮内膜においても何らかの役割を果たしていると考えられる。そこで、子宮内膜におけるadiponectin receptor(AdipoR1,R2)の発現とその作用についての検討を行った。【方法】同意の下、良性婦人科疾患のために子宮全摘術を受けた患者の子宮より子宮内膜を採取し、RT-PCR法、in situ hybridization(ISH)法にてAd及びAdipoR1,R2の発現を調べた。次に、AdipoR1,R2の機能を調べるために、子宮内膜間質細胞(ESC)培養系を用いて、Adの添加によるAMPKのリン酸化をWestern blot法にて確認した。さらに、Adの添加により、interleukin(IL)-1βでESCに誘導される炎症性サイトカイン(IL-6,IL-8,monocyte chemoattractant protein(MCP)-1)分泌が変化するかをELISA法にて評価した。【成績】RT-PCR法、ISH法より、子宮内膜にAd及びAdipoR1,R2が発現しており、このAdipoR1,R2の発現はともに着床期にあたる分泌期中期で亢進していた。また、Adは10〜50μg/mlにおいて用量依存性にESCにおけるAMPキナーゼ(AMPK)のリン酸化を惹起し、50μg/mlで対照の6.3倍であった。Adの投与はIL-1β刺激によるESCからの炎症性サイトカイン(IL-6,IL-8,MCP-1)の分泌を各々55%,49%,57%に低下させた。【結論】Adが子宮内膜においてAdipoR1,R2を介してAMPKのリン酸化によるエネルギー維持作用や抗炎症作用を発揮することが示唆された。また、Adは子宮内膜関連疾患に関与する以外に、着床期において生殖生理に関与していることが推測された。

【研究種目】基盤研究(A)

【研究期間】2002 - 2005

【配分額】53,040千円 (直接経費: 40,800千円、間接経費: 12,240千円)