冷戦期東アジアの科学技術広報外交に関する国際比較研究
【研究分野】地域研究
【研究キーワード】
冷戦 / アジア / アメリカ / 地域研究 / 科学技術 / 東アジア / 学知 / ジャーナリズム / 文化外交 / メディア / 教育 / 広報外交 / 専門知 / 原子力 / 国際政治 / 東アジア史 / 冷戦研究
【研究成果の概要】
本研究プロジェクトでは、冷戦初期の東アジアにおいて学知や専門知が構築された過程について、日本・アメリカ・中国・台湾・韓国の研究者が共同研究を行った。研究開始時には、科学技術知にまつわる広報外交に焦点を当てる予定であったが、共同研究が進むにつれて冷戦世界の各地域を戦略的に「知る」ための地域研究、政治的ヘゲモニーと密接に結びついた科学技術、そして学知や専門知に基づいた情報を「伝える」ためのジャーナリズムという3分野における知の編成へと関心が拡がった。学知・専門知の構築は、米ソによる資金援助とそれに伴う政治力学の下で推進された一方、分断国家の事情や植民地主義の遺産など冷戦以外の要素も重要な役割を果たした。本研究では、こうした様々な要因が東アジアにおける知の編成に与えた影響を分析し、その成果は冷戦史、東アジア国際関係史、アメリカ外交史などの各分野に接続し、新たな知見をもたらすと考えられる。
最終的に共同研究の成果を複数言語(日本語・英語・中国語)で刊行することを目指し、2019年度はまず5月に東京で日本側メンバーが年度計画および出版計画に関する打合せを行い、その後海外メンバーと連絡を取り合いながら共同研究を進めた。8月に全員の論文要旨が提出され、日本での共著書刊行の見込みがついた。12月に全員の初稿が提出され、2020年1月11~12日には京都大学にて、国内外の共同研究者全員によるワークショップを開催した。この直後に新型コロナ禍が始まり、3月に共同発表を予定していたAssociation for Asian Studies年次大会(ボストン)が中止となった。このため2020年度に向けてメールとZoomで連絡を取りながら出版計画を進めた。またアメリカと台湾の出版社とも交渉を進めた。研究分担者・協力者は、京都大学でのワークショップの結果を受けて最終原稿を作成中である。
【研究代表者】