中国のイノベーションとその社会実装に関する政治経済的分析
【研究キーワード】
中国経済 / イノベーション / 産業政策 / 法の支配 / 社会実装
【研究成果の概要】
本研究は、各種データベースから得られた企業データなどの整理・分析に加え、ベンチャー企業や政府関係者を対象としたインタビューなどの質的な調査、並びにそれをベースにしたアンケート調査を実施し、それらの分析を有機的に組み合わせることを目指している。本年度は、アンケート調査実施のための予備的な現地調査を行う予定であった。しかしCovid-19の感染流行により、中国に入国しての調査が不可能になった。このため、契約したデータベースよりダウンロードした企業データの分析、ならびにメンバー各自が入手した研究論文や資料などの読解を中心に研究プロジェクトを進めた。
産業政策の有効性に関しては、清科集団の提供する企業データベース「私募通」を契約し、同データベースが提供するベンチャー企業ならびにベンチャーキャピタルや政府系のファンドのデータを収集した。特に政府系のファンド、政府引導基金について、私募通の提供するデータ並びに清科集団が定期的に発行するレポートを用いて基本的な状況を整理した。さらに、ビューロ・ヴァン・ダイク社が提供するデータベースOrbisに収録された企業データをダウンロードし、上述の私募通のデータと統合して分析を行うため、データの整理を進めた。さらに並行して、各地域の経済指標に関するデータならびにGISデータについても、収集・整理と初歩的な分析を進めてきた。
コロナ禍の中で異なる研究機関間の人的な往来が困難な中、オンラインでのミーティングならびに研究会を年3回開催したほか、数名からならるサブグループを作成し、実証分析のためのデータの整理などの共同作業を進めたほか、Slackなどを通じて頻繁な情報交換を行った。また、メンバー各自が上記の問題意識の下に独自に研究を進め、その成果を学会発表や論文の形で積極的に発表してきた。
【研究代表者】