側彎症発生における脳脊髄液動態の包括的検討
【研究キーワード】
ライブイメージング / 脳脊髄液 / 側弯症 / PTK7 / TIME-SLIP MRI / 側彎症 / イメージング / 体幹変形 / ノックアウトマウス
【研究成果の概要】
AIS患者と健常者のTime-SLIP MRIを用いた脳脊髄液の解析ではTDはmain curveのcobb角、Lenke type、Risse sign、年齢と明らかな相関関係が認められなかった。一方でボランティアとの比較ではボランティア群でTDが低い傾向にあった。繊毛のマスター遺伝子であるPTK7を中枢神経系で生まれた後に特異的に欠損させるマウスでは脳脊髄液の灌流障害による水頭症および側湾の発生が生じた。
【研究の社会的意義】
PTK7は発生の際の運動性繊毛のマスター遺伝子であり、遺伝子欠損マウスは致死である。したがって出生後のPTK7の役割は明らかでなかった。今回PTK7を中枢神経系に特異的に出生後の欠損させるマウスを樹立し、解析することで、PTK7を介したWntシグナルは運動性繊毛に恒常性維持にも必須の遺伝子であり、その欠損は脳脊髄液の還流障害と水頭症、側弯変形をきたすことを明らかとした。また、側湾症の患者におけるTime-SLIP MRIの解析からヒトのAISでも脳脊髄液の還流障害が生じていることを明らかにした。
【研究代表者】