青斑核の活動可視化によるアルツハイマー病の初期病態解明
【研究キーワード】
ノルアドレナリン / 青斑核 / 大脳皮質 / アルツハイマー病 / イメージング
【研究成果の概要】
アルツハイマー型認知症は、脳内における異常タンパク質の蓄積とともに、大脳皮質や海馬による情報処理に破綻をきたす病態である。社会の高齢化に伴い、社会的な重要度の高い疾患である。アルツハイマー病を含む認知症などの情報処理に関わる病態では、発症後からの治療では、情報処理回路を元の状態に戻すことは非常に困難である。そのため、認知症の発症を予測し、早期に診断することが望まれる。そこで、本研究では、これらの大脳皮質や海馬といった脳部位に軸索を投射している神経核であるノルアドレナリン神経核に注目し、アルツハイマー型認知症において、大脳皮質や海馬における神経細胞死に先行しておこる、ノルアドレナリン神経核の機能低下をとらえることを目的とし、ノルアドレナリン作動性神経と、その作用先である大脳皮質神経活動および血流動態に注目して、病態解析を行う。ノルアドレナリン神経の活動や、大脳皮質における神経活動や血流動態は、2光子励起顕微鏡による蛍光イメージングにより非侵襲かつ長時間に渡り捉えることで、認知症発症前の病態解明に取り組む。
当該年度では、大脳皮質視覚野におけるノルアドレナリン神経核の2光子カルシウムイメージングに取り組んだ。一次視覚野および高次視覚野にまたがる広範囲かつ詳細なイメージングを行うため、Bessel Beamを用いた高速ボリュームイメージングや、広視野対物レンズを用いた広範囲高解像度イメージングなどに取り組んだ。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)