肝再生誘導法の開発を目指した新規分化誘導因子の探索
【研究分野】外科学一般
【研究キーワード】
細胞増殖 / 細胞分化 / サイトカイン / 肝臓 / 再生 / 幹細胞 / 再生医学
【研究成果の概要】
FACS(fluorescence activated cell sorter)とモノクローナル抗体を用いた精度の高い細胞分離法により、マウス胎児肝臓から純化された肝幹細胞画分であるc-Met+c-Kit-CD49f+/lowCD29+CD45-TER119-細胞を回収し、これらのクローナルな培養系を用いて、肝細胞および胆管細胞への分化誘導能を有する新規サイトカインのスクリーニングを行うことを目的として研究を行った。肝幹細胞から胆管細胞への分化誘導能を有する培養上清を得て、さらに、この培養上清の特定分子量分画にc-Met+c-Kit-CD49f+/lowCD29+CD45-TER119-細胞の増殖抑制活性が限定的に存在することを確認した。この分子量分画から活性タンパク・ペプチドの精製を試みたが、結果として培養液中の血清の存在が困難要因となり精製には至らなかった。一方、c-Met+c-Kit-CD49f+/lowCD29+CD45-TER119-細胞に与える既知の各種サイトカイン、細胞外マトリックス、転写因子C/EBPsの影響に関するスクリーニング解析により、hepatocyte growth factor(HGF)やC/EBPsが肝幹細胞の初期分化に重要な役割を果たしていることを明らかにした(Development 130:2513-2524,2003)。
今後、肝幹細胞の分化・増殖機構を精度の高い解析系を用いて、ひとつひとつ丹念に検証していくとともに、実用化技術の開発に向けた疾患モデル動物における治療効果についても並行して検討する必要がある。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
江藤 譲 | 味の素株式会社 | 医薬研究所 | 主任研究員 |
中内 啓光 | 東京大学 | 医科学研究所 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2000 - 2002
【配分額】9,800千円 (直接経費: 9,800千円)