サンゴ抗菌ペプチドの立体構造解析による膜作用機構の解明
【研究キーワード】
立体構造解析 / 抗菌ペプチド / サンゴ
【研究成果の概要】
「海のゆりかご」とも呼ばれるサンゴ礁には全海洋生物の約25%が生息しており、生物多様性の保全上、極めて重要な生態系である。近年の海水温上昇は海洋病原細菌の毒性を上昇させ、細菌性白化や組織分解によるサンゴ礁の破壊を引き起こしている。サンゴを含む無脊椎動物には病原細菌から身を守るための自然免疫機構が備えられており、病原細菌を認識後、シグナル伝達を介して抗菌ペプチド(Antimicrobial peptide; AMP)を生産することが知られているものの、サンゴにおいてはAMPの存在や種類が特定されておらず、免疫機構は不明なままである。本研究ではこれらのAMPの立体構造解析と膜作用機序解析を行い、免疫機構の分子メカニズムを明らかにする。
本年度は大腸菌Rosetta-gami2(DE3)による発現系を構築し、2種類のAMPの可溶性画分への発現を確認した。Niアフィニティカラムを用いて精製後、プロテアーゼによりHis-Trx領域とAMPを切断した。切断した2つは再度Niアフィニティカラムに通すことで、AMPのみスルーで回収することができ、高純度に精製することができた。精製したAMPの内、1種類について酵母、グラム陽性細菌、グラム陰性細菌に対する抗菌活性を測定した。96-well plateの中で菌体と様々な濃度のAMPを混合して24-48時間静置し、吸光度測定によりMIC(Minimum inhibitory concentration)を決定した。菌体の増殖が確認されなかった混合溶液は寒天培地に塗布し、30℃で一晩静置培養後、コロニーの生育の有無を元にMBC(Minimum bactericidal concentration)を決定した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
高木 俊幸 | 東京大学 | 大気海洋研究所 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)