有機分子の排出にかかわる膜輸送体の構造生物学
【研究分野】構造生物化学
【研究キーワード】
X線結晶構造解析 / 膜タンパク質 / 多剤耐性菌 / 薬物動態 / 結晶構造解析 / 膜蛋白質 / 輸送体 / 多剤耐性因子
【研究成果の概要】
生体は常に有毒な有機分子にさらされているが、細胞は防御策としてこれらを排出する機構を有している。この排出機構の分子実体は膜タンパク質である「排出輸送体」である。本研究では有機分子の排出機構に着目し、多剤排出輸送体MATEの構造解析を行った。
真核生物由来MATEに関しては,昨年度、シロイヌナズナ由来MATE輸送体AtDTX14の外向き開状態の構造を決定し、構造に基づいた変異体解析を行い、輸送機構を検証した。一方で、真正細菌由来のMATEであるVcmNについても構造解析を行った。本構造解析の結果から、VcmNはH+駆動力依存的なTM1折れ曲がりにより基質を排出することが示唆された。
【研究の社会的意義】
生体は常に有毒な有機分子にさらされているが、細胞は防御策としてこれらを排出する機構を有している。これらの排出にかかわるMATE輸送体は細胞内外の物質の分布を制御する役割を担うため、その輸送機構を解明することは生命現象を理解するうえで必須であり、さらに医薬への応用などにおいても重要である。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2017-04-01 - 2020-03-31
【配分額】17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)