ペプチド結晶内空間への生体高分子の包接とその応用
【研究分野】機能物性化学
【研究キーワード】
自己組織化 / ペプチド / 配位結合 / フォールディング / ナノ構造 / 結晶材料 / ナノ材料 / 分子認識 / 超分子化学
【研究成果の概要】
短いペプチドと金属イオンを混ぜ合わせることで自発的に組み上がる細孔性ペプチド結晶は、簡便な合成法ながら精密なナノ空間を有する。本研究では、用いるペプチドの化学修飾により、ナノ空間のサイズを1.5~2.8ナノメートルまで系統的に作り分けることに成功し、そのサイズに応じた分子包接挙動を明らかにした。さらに、ペプチド配列設計に基づき、ユニークな絡まり構造をもつ分子や天然に存在するβバレル構造の精密模倣構造の創出にも新たに成功した。
【研究の社会的意義】
自然界のタンパク質の精密かつ機能的な分子構造は、長いペプチド鎖の非常に複雑な自己組織化過程を経て構築され、これを人工的に模倣することは合成学的に未だ不可能である。本研究では、短いペプチド鎖と金属イオンを混ぜ合わせる独自の自己組織化方法を考案し、簡便な合成法ながら様々な新奇ナノ構造の構築に成功した。これらはタンパク質の精密な模倣を可能にするとともに、前例のないユニークなトポロジー構造も含まれ、ナノ構造構築における革新的な合成手法としての学術的意義を示すものである。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(A)
【研究期間】2015-04-01 - 2018-03-31
【配分額】24,570千円 (直接経費: 18,900千円、間接経費: 5,670千円)