Wntシグナルによる骨モデリング・リモデリング制御機構の時空間的解析
【研究キーワード】
骨モデリング / イメージング / Wntシグナル系 / 骨リモデリング / Wntシグナリング
【研究成果の概要】
骨モデリング過程、骨リモデリング過程において、骨芽細胞での古典的Wntシグナル活性を蛍光で検出するために、TCF/LEF結合配列、蛍光タンパク(mCherry)遺伝子配列、Puromycin耐性遺伝子配列を持つレトロウイルスベクターを作製した。これをパッケージング細胞にトランスフェクションし、上清を回収してレトロウイルス液を調製した。調製したウイルス液を細胞に感染させ、その蛍光タンパク発現を評価した。
EGFP発現マウス由来骨芽細胞を骨芽細胞分化培地で培養し、同一部位を数日ごとに2光子顕微鏡で観察した。骨芽細胞が産生するコラーゲン基質は、第二次高調波発生により無染色で検出した。その結果として、骨基質形成活性が高いと考えられる立方形の骨芽細胞が存在した部位で、その後の基質の添加が起こっていることを視覚的および定量的に示した。これらの立方形の骨芽細胞においては、高い運動性と、細胞膜の局所的な突出と後退を繰り返す現象であるBlebbingが観察できた。
また、基質の増大に伴い、骨芽細胞の形態が徐々に扁平化していくことを、画像解析ソフトを用いて定量的に示した。骨芽細胞が扁平化した状態で、Wntシグナル系を活性化する薬剤であるBIOを添加し、経時的な観察を行ったところ、扁平な骨芽細胞が再び立方形へと変化し、激しく移動することを確認した。さらに、BIO投与によるWntシグナル系再活性化により、対照群と比較して基質の形成が増大することを定量的に示した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
阿部 雅修 | 東京大学 | 医学部附属病院 | 講師 | (Kakenデータベース) |
星 和人 | 東京大学 | 医学部附属病院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)