アジア系アメリカ文学における「幽霊物語」―民族、性、ポスト植民地主義の視座から
【研究分野】英米・英語圏文学
【研究キーワード】
アジア系アメリカ文学 / 幽霊物語 / 西洋文学 / 死生観 / トラウマ / 記憶 / 民族的過去 / 歴史認識 / モニク・トゥルン / ラフカディオ・ハーン / 『怪談』 / エレイン・キム / 朝鮮半島 / 巫女文化 / トリン・ミンハ / 民族 / 性 / ポスト植民地主義 / ゴシック文学 / 中国系文学 / 韓国系文学 / 日系ハワイ文学 / フィリピン系文学 / フェミニズム
【研究成果の概要】
本研究はアジア系アメリカ文学における「幽霊物語」の今日的意義を歴史的背景とともに探ることを狙いとしている。結果として得られた知見は次の通りである。1)一般に西洋文学では妖怪、化物としてのみ表されがちな「幽霊」は、アジア(系)文学ではより人間的なものとして扱われることが多いが、それはこの世とあの世を明確に分かたないアジア一般の死生観に由来している。2)今日のアジア系文学における「幽霊物語」の多くは、20世紀に日米等の強国によって侵略・支配された自民族のトラウマ的過去を明るみにするものである。3)それによって公式の歴史では埋もれていた過去を甦らせ、よって歴史認識の変容を迫ろうとするものである。
【研究代表者】