骨吸収抑制剤の開発を目指した破骨細胞形成機構の解明
【研究分野】整形外科学
【研究キーワード】
シグナル伝達 / 発生・分化 / 骨代謝 / 創薬 / 骨転移 / リウマチ / 骨粗鬆症
【研究成果の概要】
これまでにヒトCD40の細胞外領域および膜貫通領域にマウスRANKの細胞質領域を融合させたキメラ受容体(h40/mRK)による破骨細胞形成実験系を確立し、それを用いた実験結果から、RANKの細胞質領域の特定部位にTRAF6シグナルを増強する因子が作用するか、その特定部位が直接TRAF6シグナルを増幅するという仮説を提唱した。また、種々の欠損変異を導入したキメラ受容体の機能解析を行い、TRAF6結合配列以外の種問で強く保存された特定領域HCRを欠損させると刺激依存的なNFkBやMAPKの活性化が正常に起こるにもかかわらず、破骨細胞も形成されないこと、またこのHCRをCD40の細胞質領域に融合させると破骨細胞の形成能を獲得することが明らかにした。本研究ではHCRがシグナルに及ぼす影響及びその作用機構を解析した。RANKシグナルでは、TRAF6を介したシグナルがITAMモチーフを持つ膜受容体に作用することによりPLCγ2のリン酸化やCa2+濃度の変化が起こりNFATが活性化されると考えられている。特定領域を欠失した受容体では、そのPLCγ2のリン酸化やNFATの発現が一過性であるのに対して野生型キメラ受容体や特定領域を付加したCD40では、それらのシグナルが持続的に維持されることを見出した。さらにHCRに結合するタンパク質の同定に成功し、それらがHCRの不活性型変異体には結合しないこと及びRANKシグナルによる破骨細胞形成に関与することを示した
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2006 - 2007
【配分額】17,620千円 (直接経費: 15,400千円、間接経費: 2,220千円)