リハビリによる末梢神経再生の分子機構;メカノセンサーTRPV2の役割
【研究キーワード】
TRPV2 / メカノセンサー / 神経再生 / リハビリ / 機械刺激 / 温度 / 神経 / 再生 / 軸索 / 軸索再生
【研究成果の概要】
細胞にかかる力を感知するイオンチャネル分子・TRPV2は損傷軸索の再生に関わる有力なメカノセンサーであると考えられた。そして、微弱な膜伸展刺激においてもTRPV2の活性化が認められることを突き止めた。予想通りTRPV2はメカノセンサーとして、微弱な機械刺激を感知する特性を備えていると考察された。リハビリ運動中には、損傷神経に付加的に外部からの力が加わるが、これを軸索上のTRPV2が感じ取り、神経回路の再生を促していることを突き止めた。これらの結果より、TRPV2はリハビリ時の神経再生に関わる有力なメカノセンサーであると考えられる。
【研究の社会的意義】
申請者が作製した感覚神経特異的なTRPV2KOマウス(TRPV2CKOマウス)を用いて、損傷神経の再生能を比較したところ、野生型(WT)マウスと比較して、TRPV2CKOでは軸索再生が著しく減弱することを見いだした。また、どうして軸索再生能が減弱するのか、その分子基盤を明らかにした。
これらの結果から、末梢神経の再生に対するリハビリやマッサージの効果に対して、TRPV2のメカノセンサー機能を指標に科学的に分子機構を述べることが可能になった。この成果を応用することでより効果的なリハビリ手法の開発へとつながる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
岡部 弘基 | 東京大学 | 大学院薬学系研究科(薬学部) | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【配分額】17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)