栄養-代謝-エピゲノム軸による細胞機能調節の仕組みを解明
【研究キーワード】
環境 / エピゲノム / 栄養 / 代謝シグナル / 脂肪細胞
【研究成果の概要】
成熟脂肪細胞は高グルコース下で分化すると大量のグルコースを解糖系で代謝する能力を獲得する。この分子メカニズムとしてTCA回路の代謝物 αケトグルタル酸(αKG)を介して、解糖系遺伝子の発現が脱メチル化により制御されることを見出した。また、αKGを補酵素とするH3K9me2の脱メチル化酵素の系統的RNA干渉法によるノックダウン実験から、グルコース濃度変化によって解糖系遺伝子群の転写を制御するヒストン脱メチル化酵素としてJMJD1Aを特定し、栄養(グルコースの有無)がエピゲノムを介して転写を制御することを見出した(エピゲノム書き換え:2nd step)。このメカニズムとしては、現段階ではグルコース応答性にJMJD1Aが標的遺伝子に呼び込まれる可能性と、グルコース応答性にJMJD1Aリン酸化 (シグナル感知:1st step) されることで、転写複合体が構成され、αKGが補酵素として機能するとの双方の可能性がある。端緒的にJMJD1Aのプロテオミクス解析から、リン酸化の候補酵素 (CDC-like kinase2, casein kinase II)と、JMJD1Aリン酸化候補部位(S446とS448)を見出した。
【研究代表者】
【研究種目】挑戦的研究(萌芽)
【研究期間】2020-07-30 - 2023-03-31
【配分額】6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)