安全保障とネオ・リベラル統合-NATO=EU体制と安保=アジアフュージョンの研究
【研究分野】政治学
【研究キーワード】
安全保障 / 経済統合 / アジア太平洋 / ヨーロッパ / 地域主義 / 新自由主義 / ポスト冷戦 / グローバリゼーション
【研究成果の概要】
ヨーロッパおよび東アジアの2地域を事例として、経済統合と安全保障の関係について以下の成果を得た。
(1)理論的成果:キンドルバーガーらの覇権安定論およびエルンスト・ハースの新機能主義の2つのモデルに対し、あらたにグローバル化を変数に加えたうえで統合=安全保障ガバナンス・モデル(仮称)を構築した。
(2)経済学サイドからの成果:東南アジア・東アジアに関して、大規模な統計データを活用し、産業連関分析などを行い、また多国籍企業の地域統合における機能をいくつかの事例を取り上げ分析し、西ヨーロッパの分析結果と比較検討しつつ東アジアの統合潜在力に関する諸仮説を検証した。
(3)政治学サイドからの成果:京アジアには中国という巨大な主体が存在し、地域統合の前提が西欧とは大きく異なるが、その中国のWTO加盟の経済・政治的インパクトと中国の安全保障構想の転換を分析することにより、中国を東アジアの統合の中に位置付けた。
(4)総合的な成果:安全保障及び経済統合の多角的国際組織を有した戦後西欧に対比し、それらに相当する国際組織を持たない東アジアのフュージョン現象を体系的に分析した。
【研究代表者】