心および心肺移植における機能保存と実施に関する総合的研究
【研究分野】胸部外科学
【研究キーワード】
心移植 / 臓器移植ネットワーク / グラフト動脈硬化症 / 心筋症 / 免疫抑制療法 / 遺伝子導入 / dination / 異種心移植 / 渡航心移植 / 冠動脈硬化症 / 補助人工心臓 / Donation / 肺保存 / 異種心臓移植 / 心臓移植 / 肺移植 / 抗接着抗体 / 慢性拒絶反応 / 移植心冠状動脈硬化 / donor臓器
【研究成果の概要】
開原は日本における移植関連の研究や活動に関する情報を提供するシステムのあり方を検討し、さらにインターネット上において情報公開する際の情報の種類や機密保持を保証する方法を検討した。
松田、田林、磯部らは心臓移植後の慢性拒絶反応の実験的検討を行った。松田は移植心動脈硬化の発症が移植後初期にTリンパ球、マクロファージの関与により決定される事を解明した。田林、磯部らはACE阻害剤ならびにAngiotensin II receptor antagonist、抗細胞接着分子抗体、細胞周期調節遺伝子の移植心動脈硬化予防における効果を報告した。
佐野は1時間停止後摘出され、体外で蘇生された心臓のdonor心臓としての可能性を実験的に検討した。平はヒアルロニダーゼ添加心筋保護液の心筋浮腫軽減とグラフト維持とを実験的に検討した。
小柳は渡航心移植症例における慢性期の冠動脈硬化症の実状を報告するとともに、新しい免疫抑制剤Multiglycosidorum Triptergiiの心移植後冠動脈病変抑止硬化抑制硬化を実験的に検討した。
臨床に即した検討として、川島、中谷は国立循環器病センター型補助人工心臓を用いた難治性心不全に対する治療経験を報告し、補助人工心臓が難治性心不全の治療法となりうる可能性があることを報告した。
古瀬、中島、高本は日本猿における新生児Discordant異種心臓移植において、生後4ヶ月までは超急性拒絶反応が起こりにくいこと、抗異種抗体は生後の成長とともに増加して行くことを報告した。
藤村、江口、矢田らは肺移植の実験的検討を行った。藤村は移植肺のflush温度を4℃と24℃で比較し、24℃の方が保存後の肺胞水分クリアランスが保たれていることを報告した。矢田は同種既肝移植におけるrIL-2の効果を、江口は同種肺移植における抗αβT細胞受容体抗体の効果を実験的に検討した。
【研究代表者】