NMJ形成シグナルの理解に基づく多様な神経筋疾患の克服
【研究キーワード】
神経筋シナプス / 神経筋疾患 / 神経筋シナプス形成シグナル / シグナル伝達 / 神経科学
【研究成果の概要】
神経筋シナプス(NMJ:Neuromuscular Junction)は骨格筋収縮の制御に必須であり、その喪失は呼吸を含む運動機能の喪失を招く。本研究代表者らは「細胞内分子Dok-7による受容体型キナーゼMuSKの活性化」がNMJ形成シグナルに必須であり、その異常がNMJ形成不全(DOK7型筋無力症)の原因であることを発見した。さらに、NMJ形成を増強する新たな制御技術を創出し、筋無力症や筋ジストロフィー、筋萎縮性側索硬化症など、NMJ形成不全を呈する多様な疾患モデルマウスに対する当該制御技術の有効性を実証してきた。これらの成果を踏まえ、本研究では、種々のNMJ形成制御因子や化合物を用いたNMJ形成シグナルの解析を進め、1)個体の運動機能に必須のNMJ形成シグナルを解明するとともに、2)多様な神経筋疾患の病態解明と治療基盤の確立を目指している。
本年度においては、研究代表者らが独自に絞り込んだNMJ形成制御に関与する遺伝子候補の生理学的、病態生理学的な機能の個体(マウス)レベルでの解析を継続して推進し、リン酸化シグナルやカルシウムシグナルのNMJ形成における重要性を示す知見を得ると共に、CaMKIIβの筋萎縮治療標的としての可能性を報告した。さらに、本研究にて取得したNMJ形成シグナル制御機能を有する化合物の作用機序と個体におけるNMJ形成増強機能に関する解析を進めた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
江口 貴大 | 東京大学 | 医科学研究所 | 助教 | (Kakenデータベース) |
荒川 正行 | 公益財団法人微生物化学研究会 | 微生物化学研究所 | 研究員 | (Kakenデータベース) |
植田 亮 | 東京大学 | 医科学研究所 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】45,240千円 (直接経費: 34,800千円、間接経費: 10,440千円)