腎腫瘍画像診断における診断根拠提示可能なAI開発
【研究キーワード】
深層学習 / 腎癌 / AI / 説明可能 / 画像診断 / 腎腫瘤
【研究成果の概要】
2005年から2021年までの慶應義塾大学病院の病理診断の確定した腎癌304例およびJ-MIDデータベースから抽出した410例のCT画像の画像のresion of interestの設定、腫瘍部分のsegmentationを完了した。さらに、慶應義塾大学病院の腎癌症例の内、ダイナミックCTの4相全てが撮影されている200例については、詳細な画像所見(造影前腫瘍濃度、早期濃染の程度、早期濃染の不均一さ、wash-outの程度、嚢胞成分の程度、壊死の程度をそれぞれ9段階評価)のアノテーションを付与し、説明可能AI開発のための教師データとして利用した。
作成した教師データを利用し、multi class学習を実施し、腎癌のサブタイプ分類を実施した。追加の学習データを付与しmulti class学習を実施したモデルを用いた場合、説明性(画像の詳細な所見)の出力が可能になったものの、腎癌のサブクラス分類のみを行う深層学習モデルに比べて精度がやや劣る結果となった。
腎癌位置およびサイズの推定を行う前処理を追加し、さらにImageNet画像でトレーニングしたモデルの転移学習を行い、精度はやや改善した。しかしながらモデルが2D画像を対象としたものであり、モデルを3D化することにより更に精度の改善が行えると考えた。このため、病理で腎癌と確定していないダイナミックCT画像を用いて3Dのモデルの事前学習を実施し、fine tuningを行うことを目的に、慶應義塾大学病院のPACSから病理で腎癌と確定していないダイナミックCT画像を1300件抽出した。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)