プロテオーム解析によるネフローゼ症候群の病因・病態の解明
【研究分野】小児科学
【研究キーワード】
ネフローゼ症候群 / 蛋白尿 / プロテオミクス / 腎臓 / 糸球体上皮細胞 / Nephrin / TRPC6 / MYN9 / Epstein-Fechtner症候群 / プロテオーム / ネフローゼ / 細胞内情報伝達 / ネフリン / ポドサイト
【研究成果の概要】
小児期発症の腎疾患の代表的存在であるネフローゼ症候群は、糸球体血管係蹄に存在する蛋白濾過障壁の破綻により発症する。近年、podocyte(糸球体上皮細胞)およびpodocyteを連結するslit膜が蛋白尿濾過障壁の実体であることが明らかになってきた。特に腎特異的発現分子であるnephrinがslit膜の機能と構造維持に中心的役割を担う。本研究において私共はnephrinやNeph1などのスリット膜複合体の構造をプロテオミクスの手段を用いて網羅的に解析した。その結果、スリット膜複合体がリン酸化を介したダイナミックな構造であること、この構造が細胞内シグナル伝達系を司るプラットフォームとして働きそのシグナル伝達が蛋白尿とネフローゼ症候群の発症と深く関連することが明らかになった。また、ネフローゼ症候群や巣状糸球体硬化症を起こす遺伝子変異について解析を行い、Epstein-Fechtner症候群においてMYH9遺伝子のR702変異が糸球体硬化のフェノタイプと最も相関する変異であることを見いだした。これらの結果は糸球体上皮細胞の機能分子がネフローゼ症候群を惹起するメカニズムを明らかにするものである。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
関根 孝司 (開根 孝司) | 東邦大学 | 医学部附属病院・大橋病院 | 教授 | (Kakenデータベース) |
張田 豊 | 横浜市立大学 | 生命ナノシステム科学研究科 | 特任助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究連携者】 |
張田 豊 | 横浜市立大学 | 生命ナノシステム科学研究科 | 特任助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2007 - 2009
【配分額】17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)