便プロテオーム解析を用いた小児外科疾患のトランスレーショナルリサーチ
【研究キーワード】
便 / プロテオーム解析 / 胆道閉鎖症 / 早期診断バイオマーカー / 胎便 / 腸内細菌叢 / 急性虫垂炎 / 尿 / プロテオーム / 新生児 / 小児外科 / 壊死性腸炎 / 細菌メタゲノム解析
【研究成果の概要】
胆道閉鎖症(BA)の早期診断と早期治療を目指し非侵襲的に採取可能な便を利用して、かずさDNA研究所と共同して開発したData-independent acquisition mass spectrometry(DIA)ベースの便プロテオーム解析を利用したBAの早期診断バイオマーカーの探索研究を継続している。2020年度は本研究成果を国際誌に発表することができ、2021年度は国内外の学会で多く発表し評価を得た。
また、胎便中に含まれるヒト由来タンパク質に着目して、NEC(Necrotizing enterocolitis)、MRI(Meconium related ileus)、ミルクアレルギーなどの新生児期に発症する消化管疾患のバイオマーカー探索および病因の解明を目的とした胎便研究に着手している。約2年間の間に東京大学医学部附属病院で259症例の胎便を収集することができ、既にプロテオーム解析を用いた解析を終了している。本研究では、胎便中に存在する5000種類以上のヒト由来タンパク質の検出に成功し、詳細な臨床データを加えて、統計学的手法および人工知能(AI)を用いた解析に進んでいる(unpublished data)。本研究成果は、2022年度の学会で発表予定である。
さらに、腸内細菌叢解析研究では、共同研究機関である筑波大学および理化学研究所と連携して、小児急性虫垂炎患児の唾液、便、虫垂内容液を採取し解析を行った。本研究成果は2021年度の国内学会で発表し国際誌への論文投稿段階にある。
加えて、尿プロテオーム解析を用いた小児の腎盂・尿管移行部狭窄症(UPJO)に関する研究にも着手し、本研究成果は2021年度の国際学会で発表した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
須田 亙 | 国立研究開発法人理化学研究所 | 生命医科学研究センター | 副チームリーダー | (Kakenデータベース) |
川島 祐介 | 公益財団法人かずさDNA研究所 | ゲノム事業推進部 | ユニット長 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】挑戦的研究(開拓)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】26,000千円 (直接経費: 20,000千円、間接経費: 6,000千円)