細胞内カルシウムシグナル伝達による心臓発生の領域別制御とその分子機構の解明
【研究分野】小児科学
【研究キーワード】
小児循環器学 / 形態形成 / 細胞分化 / 分子生物学 / 発生医学 / 疾患モデル動物 / シグナル伝達
【研究成果の概要】
細胞内Ca^<2+>動態を担う分子群の一つであるイノシトール三リン酸受容体(IP_3R)には3つのサブタイプ(1、2、3型)があり、いずれも心臓に発現している。これまで心臓発生におけるIP_3Rの生理的意義は不明だったが、私たちは、1型2型IP_3Rダブルノックアウト(DKO)マウスでは心内膜床と心筋の発生異常が、また1型3型IP_3R DKOマウスでは右心室と心臓流出路の発生異常が起こることを明らかにした。1型2型IP_3RはNFATc系に、1型3型IP_3Rは二次心臓領域に関与する分子を制御することが示唆された。以上より、IP_3-IP_3R系が受容体サブタイプ特異的に細胞内Ca^<2+>シグナルを調節し、遺伝的相補性をもって心臓発生を領域別に制御することが解明された。
【研究代表者】