3次元組織培養モデルによるコラーゲンライブイメージングを用いた肝線維化機構の解析
【研究キーワード】
I型コラーゲン / イメージング / 肝星細胞 / コラーゲン / 肝線維化 / 組織培養モデル / ライブイメージング
【研究成果の概要】
本研究では、所属グループで開発された「可視化I型プロコラーゲン発現システム」を利用した3次元肝臓組織培養モデルを構築し、コラーゲン分子の視点から肝線維化発症機構を解明することを目的としている。肝臓内での持続的な炎症反応により静止期の肝星細胞が活性化することで、コラーゲンが過剰産生され、肝線維化が発症する。そこで2021年度は、コラーゲンの発現量から追跡できる、生理的発現量およびサイトカインなどの外部因子に対する応答性を有する可視化I型プロコラーゲン発現システムの開発を実施した。これまで所属グループが開発した「可視化I型プロコラーゲン発現システム」はCMV プロモーターの制御下にあり、恒常的に発現するものであった。そこで生体内と同様な遺伝子発現系を再現するため、本来のプロモーターであるヒト I 型コラーゲンα1 遺伝子プロモーター配列を探索することにした。ヒトゲノムライブラリーからPCRにより増幅して単離し、CMVプロモーターと入れ替えることで第2世代可視化I型プロコラーゲン発現ベクターを作製した。この「第2世代可視化I型プロコラーゲン発現システム」を導入した線維芽細胞では、コラーゲン産生促進作用を持つTGF-βで刺激した後、細胞内の蛍光輝度が上昇し、かつウェスタンブロッティングにより細胞内可視化I型プロコラーゲンのタンパク質発現量も増大していることが分かった。これらの結果より、構築した「第2世代可視化I型プロコラーゲン発現システム」が外部因子に対する応答性を有することを確認した。現在、肝星細胞に「第2世代可視化I型プロコラーゲン発現システム」を導入し、安定発現株の樹立を目指している。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究
【研究期間】2021-04-01 - 2025-03-31
【配分額】4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)