Dbf4/Cdc7によるS期チェックポイント制御機構の解明
【研究分野】実験病理学
【研究キーワード】
細胞周期 / DNA傷害 / シグナル伝達 / チェックポイント
【研究成果の概要】
1.DNA傷害時におけるDbf4/Cdc7のリン酸化の解析
(1)DNA傷害によるDbf4のリン酸化とATM/ATRとの関連
ATM/ATR過剰発現細胞をもちいてIR(20Gy),UV(50J/m2),HU(1mM,24hrs),etoposide(50μM,24hrs)処理後のDbf4のリン酸化をSDS-PAGEにより解析した。その結果これらのDNA傷害誘導処理とATM/ATRの過剰発現を組み合わせることによりDbf4のリン酸化が増強される可能性を示唆する結果が得られた。
(2)ATM/ATRによるDbf4のリン酸化部位の解析
Dbf4には7つのATM/ATRによるリン酸化のコンセンサス配列(S/TQ)が存在する。GST融合タンパクを作製し、site-directed mutagenesisによりアラニン変異体を作製しATM/ATRによるリン酸化部位を同定した。その結果、5つのSQ/TQ部位がATM/ATRによるリン酸化の標的である可能性が示唆された。その他の2カ所については継続して解析している。
2.Dbf4のリン酸化変異体および抗リン酸化抗体の作製
同定した5つのリン酸化部位をアラニン(A ; phospho-negative)またはグルタミン酸(D ; phospho-mimic)に変異させ、表現型解析にもちいるDbf4の全長を含むFlagタグプラスミドを作製した。上記のATM/ATRによるリン酸化部位に対する特異抗体を数種類作製した。このうちN末端付近のSQを認識する抗体を用いてin vivoにおけるDbf4のリン酸化の機能解析を行っている。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2005 - 2006
【配分額】3,500千円 (直接経費: 3,500千円)