高泌乳牛の肝機能障害が炎症性子宮疾患の病態とエンドトキシン代謝に及ぼす影響の解明
【研究キーワード】
炎症性子宮疾患 / 肝機能障害 / リポポリサッカライド / 遊離脂肪酸 / ケトン体 / 卵胞 / 卵母細胞 / 乳牛 / リポポリサッカライド結合タンパク / 顆粒層細胞 / エンドトキシン / 獣医学 / 畜産学 / 生殖内分泌学 / 高泌乳牛
【研究成果の概要】
本研究は乳牛の肝機能低下が炎症性子宮疾患の病態におよぼす影響を明らかにすることを目的とした。高泌乳牛では子宮の炎症と肝機能障害が高頻度で併発した。また,肝機能障害は卵胞内微小環境を変化させたとともに,子宮の炎症に由来する細菌毒素の卵胞液中濃度増加や卵巣機能低下に関与する可能性を示し,二つの疾病の相互連関を卵胞レベルで明らかにした。さらに,疾病モデルラットの作出によって乳牛で多発する代謝性疾患と生殖機能低下とを個々および双方から精査することが可能となった。
【研究の社会的意義】
炎症性子宮疾患および肝機能障害に関する研究の多くは対症療法の開発を中心とした臨床学的検討であり,双方からのアプローチによる分子レベルでの病態解明は行われていなかった。本研究により,高泌乳牛において多発する肝機能障害と炎症性子宮疾患は相互に連関を示し,卵胞内微小環境を変化させることで卵巣機能障害を引き起こす可能性が示された。本研究成果は新たなアプローチによる革新的な治療法の開発のための基礎的知見となり,乳肉牛の生産性向上に寄与することが期待される。
【研究代表者】
【研究種目】研究活動スタート支援
【研究期間】2019-04-01 - 2022-03-31
【配分額】2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)