シミュレータおよびコンピュータグラフィクスを用いた犬臨床教育訓練システムの開発
【研究分野】応用獣医学
【研究キーワード】
犬 / 代替モデル / 臨床教育 / シミュレータ / コンピュータグラフィクス / 手術実習 / バーチャル / 手術学習
【研究成果の概要】
1.既製のビジュアル教材および代替モデルのリストアップと有用性
臨床技術の習得に有用と思われる現在入所可能なビジュアル教材および代替モデルを網羅し、それらのうち代表的な教材について利点欠点を見極めた。各モデルは使いやすさ、実物との近似性など様々であるが、学生一人一個のモデルを実習で使用させるには価格が高すぎるものが多い。また、手術を始めとする臨床技術は多様化しており、既存のモデルのみでは不十分で改良の余地がある。
2.手術手技トレーニング用代替モデルであるDASIEの実習への使用とアンケート調査
安価で世界的に活用され、学生一人一個使用できるDASIEに注目し、実際に4獣医大学の外科実習に試用し、その感想をアンケート調査した。その結果、モデル自体の改良は必要であるが、手技トレーニングに有用であること、代替モデルの外科実習における意義を肯定する意見が多かった。
3.代替モデルの開発
身体検査および救急処置用犬全身モデルと、局所シミュレータとしては、消化管内視鏡モデル、切開縫合モデル、大腿骨骨折手術モデルを開発した。コンピュータグラフィクス(CG)による骨折手術トレーニング教材として犬の大腿骨骨折手術教材を開発した。手順のわかりやすい説明と、多様な症例に対する教材作成の簡略化を目的として、2.5次元のイラスト調CG表現を用いた。主としてパソコンのマウス操作だけで、筋膜などの切開手順や、ピンおよびプレートを用いた固定方法などを学習できる。獣医学科での生体を用いた手術実習前の授業において、本システムを試用し、その有効性を検証した。
さらに、代替モデルの臨床実習における位置づけや、代替モデルの活用を含めた外科実習の将来に向かっての方向性について考察した。
【研究代表者】