リボソーム翻訳後修飾ペプチド天然物の構造多様性拡張
【研究キーワード】
peptide / biosynthesis / microbiology / ribosome synthesis / post-translational / 中分子創薬 / RiPPs / 天然物創薬 / ペプチド / 天然物 / ペプチド系抗生物質 / 生合成 / 微生物
【研究成果の概要】
創薬における構造プラットフォームとして非常に有望な中分子天然物であるリボゾーム翻訳後修飾ペプチド(RiPPs)は、アミノ酸配列の組み合わせとアミノ酸側鎖の翻訳後修飾により、極めて多様な構造バリエーションを取ることが可能である。RiPPsの更なる有効活用のためには、様々な化学構造のRiPPsを自由自在に創製できる技術が必要である。本研究では申請者自ら発見したラクタゾール(LZ)、ゴードスポリン(GS)、ゴードビオニン(GV)を母核として、これまでに開発した世界初の「遺伝子情報からの完全なin vitro再構成生合成系」等を用いて、既存の天然物の構造多様性を凌駕する人工非天然型RiPPsを創製し、医薬品リード化合物へとつなげることを目的とする。本研究は、I. リポペプチド群のゲノムマイニングからの多様性拡張、II. チオペプチド生合成のin vitro再構成系を用いた多様性拡張と構造基盤の確立、の二つのテーマからなる。
今年度は1に関しては、ゲノムマイニングと脂肪酸末端部位基質の安定同位体取り込み実験から、新規RiPPsリポペプチドであるソラビオマイシンを発見し、精製、構造解析に成功した。また、RiPPsリポペプチド生合成における鍵酵素となるRiPP部位とポリケタイド部位を縮合する酵素GdvGの結晶構造解析に取り組んだ。2に関しては、GSに3種の細胞膜透過性ペプチドを付加したGSアナログの作製を試みた。しかしながら、現時点では異種発現株の作製まで至ったが、発現が認められていない状況である。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2021-04-05 - 2025-03-31
【配分額】42,250千円 (直接経費: 32,500千円、間接経費: 9,750千円)