放線菌由来インドロカルバゾール生合成研究及び新規物質創製への展開
【研究分野】応用微生物学
【研究キーワード】
staurosporine / rebeccamycin / Streptomyces / 二次代謝産物 / 生合成 / 遺伝子 / 放線菌 / インドロカルバゾール
【研究成果の概要】
インドロカルバゾール骨格を有する天然化合物は、放線菌由来の産物を主として多数報告されている。強力なプロテインキナーゼ活性を有するスタウロスポリン(STA)やDNAトポイソメラーゼ阻害剤であるレベッカマイシン(REB)など多くの興味深い生理活性物質が存在するために、医薬品などへの産業利用が期待される化合物群である。その生合成経路については、これまでほとんど知られていなかったが、近年、我々のグループの他、複数の欧米グループの精力的な研究により生合成機構の全貌が遺伝子レベルで明らかになった。これらの成果によってコンビナトリアル生合成を用いた新規アナログ創製法なども実現しつつあり、インドロカルバゾール医薬品の創製等が期待されるまでになっている。
本研究では、インドロカルバゾール骨格の生合成に関与するユニークな酵素群の反応機構の解明について行った。
(1)クロモピロリン酸合成酵素
STA生合成経路において、IPAよりCPAを生成する酵素・StaDは既知蛋白とのアミノ酸配列上の相同性が見られないユニークな酵素である。我々は大腸菌を用いて活性型のStaD酵素発現を行い、4量体構造を取る巨大ヘモプロテインであることを明らかにした。
(2)本生合成に関与する2つのP450酵素
StaDによって生成するCPAはその後2段階の酸化反応を経てSTAアグリコンへと変換される。本酸化反応の詳細は未知であるが、StaC, StaPの2つの酵素が関与することが明らかになっている。このうち、StaPはP450酵素である。一方、STAアグリコンと糖部位は2ヶ所のC-N結合によって結ばれているが、このうちの1ヶ所はP450ホモログであるStaNが関与している。
【研究代表者】
【研究種目】若手研究(B)
【研究期間】2005 - 2006
【配分額】3,600千円 (直接経費: 3,600千円)