新規Rieske型酸素添加酵素の探索と機能解析
【研究分野】応用微生物学
【研究キーワード】
oxygenase / evolution / thermophile
【研究成果の概要】
平成27年度末までに、高熱性細菌のゲノム情報から、Rieske型芳香環ジオキシゲナーゼ(RO)の末端水酸化酵素コンポーネント大サブユニット遺伝子(合計44種)を見いだし、その中で特に重要と考えられたThermus oshimai JL-2株とGeobacillus thermoglucosidasius NBRC107763株由来の二種について小サブユニット遺伝子と共に発現用ベクターにクローン化して、大腸菌での発現系を構築していた。また、JL-2株ゲノムからは2種のフェレドキシン遺伝子と4種のフェレドキシン還元酵素遺伝子の候補を、NBRC107763株ゲノムからは1種のフェレドキシン遺伝子と3種のフェレドキシン還元酵素遺伝子の候補を発見し、クローン化を開始していた。平成28年度は、これに引き続き、クローン化を終了させ、大腸菌細胞内においてROの各コンポーネント候補を種々の組み合わせで発現させる系を構築した。現在までにSDS-PAGE解析にて明瞭なタンパク質の発現は検出できていないが、微量でも活性が検出できる場合も多いため、本プロジェクトの遂行者であるChakrabortyらにより構築されたデータベースを用いて、まず基質の推定を行った。その結果、多環芳香族炭化水素、ヘテロ環式芳香族化合物、安息香酸誘導体などが基質として推定され、活性検出に使用する基質候補を絞り込むことができた。現在、これらの推定基質に対する酸素添加活性を評価するとともに、両株ゲノム中の当該遺伝子の破壊を試みている。なお、本年度の重要な成果の一つとして、ゲノム解析とROコンポーネント候補の抽出・機能推定に関しては、アメリカ微生物学会と極限微生物の国際学会で発表するとともに、既にAMB Express誌で発表した。
【研究代表者】
【研究種目】特別研究員奨励費
【研究期間】2015-04-24 - 2017-03-31
【配分額】2,300千円 (直接経費: 2,300千円)