浮遊性海洋シアノバクテリアのバイオエコモニタリングへの応用
【研究分野】生物・生体工学
【研究キーワード】
浮遊性海洋シアノバクテリア / 浮遊性担体 / 刺激応答エレメント / ゲノムライブラリー / エコモニタリング / 海洋環境 / 海洋シアノバクテリア / ノニルフェノール / UV-A / NaCl / 海洋環境モニタリング / ストレス応答エレメント / ベンゾ(a)ピレン / 浮遊性微生物固定化担体 / スクロース密度勾配遠心法 / トリブチルスズ / モニタリング
【研究成果の概要】
本研究では、海洋の環境毒物等による環境変動を生物シグナルを利用して迅速かつ高感度にモニタリングすることを目的としている。特に浮遊性海洋シアノバクテリアをスクリーニングすることとともに、報告者らがすでに見いだした海洋シアノバクテリアにおいて環境応答をする遺伝子調節エレメントをスクリーニングし、各種環境応答生物を作製することを試みた。
(1)浮遊性海洋シアノバクテリアのスクリーニングと培養システムの検討
海洋シアノバクテリアの浮遊培養の構築を目的とし、浮遊性担体と研究代表者の研究室に保存してある海洋シアノバクテリアを利用し、浮遊性担体上での増殖、培養条件、付着機構の検討を行い、海洋における浮遊培養を利用した藻体生産のトータルシステムの構築のための基礎的検討を行った。また、浮遊性海洋シアノバクテリアの簡便な獲得法、さらには浮遊性海洋シアノバクテリアを利用した海洋環境モニタリングへの応用の可能性について検討を行った。
(2)海洋シアノバクテリアの各種刺激応答エレメントのスクリーニングとそのキャラクタリゼーション
LuxAB遺伝子をレポーター遺伝子としたベクターを用い、海洋シアノバクテリアSynechococcus sp. NKBG15041cの小断片ゲノムライブラリーを構築し、NKBG15041cをホストとした環境応答エレメントのスクリーニングを行った。181クローン中、ノニルフェノールへの応答性では、特異性は見られなかった。一方、UV-A照射やNaCl濃度の変化に対する応答実験では、応答するクローンがそれぞれ、1クローン、2クローン得られ、シークエンス解析により、転写調節因子結合配列やプロモーター様配列の存在が確認された。
環境中で懸念される様々な環境毒物は数多く存在する。本研究で示したスクリーニング方法を用いることにより、これらのモニタリングするシステムの構築が可能であると考える。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
高野 博幸 | 太平洋セメント株式会社 | 中央研究所・第1研究部 | 研究職 |
和気 仁志 | ぺんてる株式会社 | 中央研究所・第6研究室 | 室長 |
田中 剛 | 東京農工大学 | 工学部 | 助手 | (Kakenデータベース) |
宮下 英明 | 東京農工大学 | 工学部 | 講師 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2000 - 2002
【配分額】12,900千円 (直接経費: 12,900千円)