複合生物反応によるCO_2からのエタノール資源化連続式バイオリアクターの設計
【研究分野】生物・生体工学
【研究キーワード】
Multiple Reaction / Fthanol / Carbon Dioxide / Synechoccus leojoloenois / Cation / Minimul Medium
【研究成果の概要】
本研究では、複合生物反応によるCO_2からのエタノール生成法を確立するために(1)無機金属イオンの供給による藍藻Synechococcus leopoliensis光合成CO_2固定反応の効率化、(2)藍藻からの糖抽出操作の確立、(3)Zymomonas mobilisアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子による組換え大腸菌Escherichia coliC600を用いた藍藻抽出糖からのエタノール生成について実験的検討を加えた。
まず、化学的に合成されたMDM培地中の無機金属イオンが藍藻S.leopoliensis光合成反応に及ぼす効果について調べるために光合成反応中のカルチャー内無機金属イオンの濃度を原子吸光分光光度計(主要設備品)を用いて追跡した。その結果、MDM培地中の2価カチオンの中でCO^<2+>、Fe^<2+>、Mn^<2+>、Zn^<2+>,Cu^<2+>は細胞に殆ど摂取されておらず、Mg^<2+>だけが消費されると言う事実が判明した。MgSo_4・7H_2の量を基本培地組成より半減させ125mg/dm^3とし他の2価カチオンを削除した最少合成培地を作製し光合成反応を実施した結果、MDM培地を用いた実験の結果とほぼ同程度の増殖速度、増殖量が得られることが確認された。次に藍藻からの糖抽出操作について検討を加えた。処理に要するHC1の濃度、温度を12mol/dm^3、70Cとした場合に抽出量は高く、またNaOHによる中和後の脱塩操作には透析膜の使用が有効であることが分かった。Zymomonas mobilisアルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子による組換え大腸菌Escherichia coliC600/pLO1297を用いCO_2雰囲気下で高密度培養を行ないグルコースからのエタノール生成について検討を加えたところ、エタノール濃度は9.97g/dm^3に到達した。
【研究代表者】
【研究種目】一般研究(C)
【研究期間】1995
【配分額】2,300千円 (直接経費: 2,300千円)