ゲノムの侵略と協調に関する総合的研究
【研究分野】広領域
【研究キーワード】
テロメア特異的レトロトランスポゾン / 利子的遺伝子 / 染色体外DNA / カスパーゼ活性 / 多義語コドン / 生殖細胞自然突然変異率 / 一花粉解析法 / 表層微小管 / レトロトランスポゾン / 利己的遺伝子 / メダカ生殖細胞自然突然変異率 / 前胸線抑制ペプチド(PTSP)産生器官 / ウニ左右性関連遺伝子 / ラン色細菌 / 神経伝達物質 / 嗅覚受容体 / タバコ培養細胞 / 前胸腺抑制ホルモン / エクジソン分泌
【研究成果の概要】
昆虫のテロメラーゼとテロメア特異的レトロトランスポゾンを調べ、昆虫ゲノムの動的変動を明らかにした。出芽酵母の利己的遺伝子が自己伝播するために必要な宿主側と遺伝子内部の要因を明らかにした。植物マイコプラズマの各種変異株の染色体外DNAの遺伝子構造と複製様式・発現動態を解明した。メダカ培養細胞ではカスパーゼ活性がピリミジン2量体により誘導されることを明らかにした。tRNAのアミノ酸受容能の両義性による多義語コドンの発生メカニズムを、in vitroでの変異tRNAの機能解析から解明した。HNI系統メダカの生殖細胞自然突然変異率を調べ、優性致死突然変異を伴った総突然変異率では雌が桁違いに高いが、生存突然変異率では雄が高いことと、広範囲にわたるゲノム欠失を伴う雌ゲノムの変異が経世代的に伝播しにくいことを明らかにした。ヒロハノマンテマを用いて植物Y染色体に特異的なSTSマーカーを作成、一花粉解析法の確立、さらにBACライブラリーを構築してSTSマーカーを用いて,約100kbpのY染色体特異的DNA配列を単離した。GFP-tubulin遺伝子導入株などを用いて、植物細胞の形態形成、形態制御における表層微小管の機能解析を行った。トリノアシ卵の人工受精に始めて成功し、着床に至までの発生を記録、さらにトリノアシのHox,Otx,engrailed遺伝子の分離に成功し、発現パターン解析を行った。ゼブラフィッシュと霊長類の視物質遺伝子に新規レパートリーを発見した。高等植物とシアノバクテリアでの各種の環境ストレスに対する応答メカニズムを解明した。ホメオボックスジーンCdx2で形質転換した小腸陰窩細胞IEC-6を作製し、上皮細胞化を検討した。エクジソン分泌を抑制する前胸腺抑制ペプチド(PTSP)の単離、構造決定、産生器官同定を行った。神経幹細胞の細胞応答が、ガン抑制因子によって制御されていることを見つけた。嗅覚受容体が匂いを認識する分子機構を再構成系を用いて解明した。
【研究代表者】