深層学習を用いた細胞追跡アルゴリズムの開発
【研究キーワード】
画像解析 / 深層学習 / 機械学習 / 細胞系譜 / 細胞追跡
【研究成果の概要】
令和3年度は連続する2つの時刻間の細胞の対応関係1つずつに対してコストの算出を行う学習モデル(1対1モデル)を構築した。研究協力者である近畿大学山縣研究室から提供いただいたマウス胚4次元蛍光顕微鏡画像を入力とし、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いて物体の特徴を抽出することでマウス胚(核)の形態的特徴を活用したトラッキングアルゴリズムの開発を行った。細胞核の形状取得には既に当研究室にて実装が完了している深層学習を用いた細胞同定アルゴリズムであるQCANetを用い、研究協力者である東京大学小林徹也博士に提供いただいた整数計画法によるトラッキングアルゴリズムを基盤に深層学習による拡張を行った。提供いただいた整数計画法によるトラッキングアルゴリズムはトラッキングのコストを最小化する最適化問題を解くアルゴリズムとして構成され、コストは時系列画像のフレーム間毎の各細胞同士の重心間距離が採用されている。当該年度は上記アルゴリズムを拡張し、細胞核の形状から特徴を抽出し連続する2つの時刻間の細胞の対応関係1つずつに対してコストの算出を行う学習モデル(1対1モデル)を構築した。1対1モデルは先行研究と比較して高精度なコストを推論することに成功している一方、全細胞の対応関係のコストを求める必要があるため実行時間が膨大になるという問題点が残っている。
学術論文はまだ出ていないが、招待講演3回、ポスター発表1報にて本研究の進捗を報告した。
【研究代表者】
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)