ハプロイド・ハイブリッド個体を用いた高精度ゲノム地図の作製と遺伝解析への応用
【研究キーワード】
ハプロイド / ハイブリッド / 連鎖解析 / ゲノム解析 / 非モデル生物 / 連鎖地図 / SNPタイピング / ハイブリッド個体 / 雑種個体 / 半数体 / エクソソーム / ダブルハプロイド / 超高精度連鎖地図 / SELDLA / ゲノムアセンブル
【研究成果の概要】
分担者らの協力のもとに作出したクロマグロとスマの雑種個体の多型タイピングを行い、スマ、クロマグロの連鎖地図を作成した。さらに分担者から、ブリとヒラマサの雑種、ニホンウナギとオオウナギの雑種、アユの半数体、シイタケの単核相細胞、マツタケの単核相細胞の提供を受け、それらからのゲノムの抽出と、全ゲノムシーケンシングによる多型タイピングを進めており、一部完了した。またハンガリーの共同研究者からチョウザメとヘラチョウザメの雑種の提供を受けて実験を進めている。
ナマズ、アユの半数体、雌性発生胚の作出を実施した。その結果、ナマズは半数体、雌性発生ともに受精率が極めて低かったためサンプルを得ることができなかった。アユは多数の半数体卵のサンプルを得ることができた。ニホンウナギとオオウナギの雑種は極めて高い受精率、ふ化率を示し、雑種胚及び雑種仔魚のサンプルを得ることができた。
植物に関して2020年度は新型コロナの影響があったが、2021年度は下記の実験を開始でき、以下の研究結果を獲得した。シイタケとマツタケの単核相細胞(一次菌糸または胞子)を準備し、連鎖解析を開始した結果、ドラフトゲノムの質を著しく改善できた。アカマツとクロマツの交雑個体(アイグロマツ)の作出を開始し、現時点で確定的ではないが受粉が成功していると期待できる結果を得ている。
それぞれの生物のエクソソーム解析を推進するための予備的な検討を行った。それぞれの種でタンパク質配列のデータベースが整備されていることが解析には必要であるため、ゲノム配列からそれらのデータベースの構築を試みている。
イトヨについてハプロイドゲノムタイピングのバリエーションとして個々の精子のシングルセルゲノム解読によるタイピングを検討し、連鎖地図を構築することができた。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
黒河内 寛之 | 東京大学 | 大学院農学生命科学研究科(農学部) | 助教 | (Kakenデータベース) |
稲野 俊直 | 近畿大学 | 水産研究所 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
川村 猛 | 東京大学 | アイソトープ総合センター | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2020-04-01 - 2024-03-31
【配分額】45,500千円 (直接経費: 35,000千円、間接経費: 10,500千円)