特定方向に大きく曲げねじり変形する翼構造の提案とその性能評価
【研究キーワード】
モーフィング翼 / 複合材料 / コルゲート構造 / 最適化
【研究成果の概要】
二重筒構造を用いたツイスト型モーフィング翼主構造において、高い曲げ剛性と適度なねじり剛性を両立できる外側部材形状に関する検討を実施し、外側部材を構成する梁部材のアスペクト比を調整することにより、適切な剛性バランスを実現できることを示した。また、3Dプリンタによるラティス構造の適用可能性検討を行い、その基本構造を変更することで、希望する曲げ剛性とねじり剛性のバランスを実現できることを示した。さらに、2形態で安定に固定される双安定構造に関して、刺しゅう機で強化繊維を配置した板構造を対象とし、実験と数値解析により安定形状や2形態への遷移駆動力の評価を行った。
フラップ部のモーフィング構造の候補としてコルゲート構造を考え、コルゲート方向を変化させた構造や曲線型コルゲート構造の幾何学的パラメータを変化させた場合の曲げ/ねじり剛性特性を数値解析モデルにより明らかにし、変形要求に応じた剛性設計を可能とするモーフィングフラップの設計手法を確立した。また、コルゲート構造を二次元化した卵パック構造を改良した板-円柱構造を提案し、3Dプリンタにより製作したスケール模型により、曲げ/ねじりの基本変形特性を確認した。
新しいモーフィング構造設計手法の開発においては、創成型の形態設計法である「インフィル構造創成法」をコンプライアント機構の形態設計に応用した。従来のトポロジー最適設計と異なり、得られた解そのままで実現可能な形態が創出できること、部材分布の異なる複数の形態候補が創出できることを示し、この手法をモーフィング翼構造に適用できる見通しを得た。また、モーフィングフラップのレジリエント運用を提案した。モーフィングフラップをスパン方向に分割することで、一部が故障しても全体の揚力を回復するだけでなく、翼根曲げモーメントを減少させるような舵角分布が得られ、その有効性を示した。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
横関 智弘 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 准教授 | (Kakenデータベース) |
小木曽 望 | 大阪公立大学 | 大学院工学研究科 | 教授 | (Kakenデータベース) |
田中 宏明 | 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群) | システム工学群 | 教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)