機械学習による乱流ビッグデータの特徴抽出手法の構築
【研究キーワード】
流体力学 / 乱流 / ビッグデータ / 機械学習 / 低次元モデル
【研究成果の概要】
本研究の目的は、機械学習技術を「乱流ビッグデータ」に適用することにより、線形理論だけでは抽出できないが乱流の自己生成維持機構の本質である非線形モードを抽出し、その時間発展方程式を導出することにより、新たな非線形特徴抽出手法を構築することである。本研究では畳み込みニューラルネットワークに基づく自己符号器を用いて、高次元の流れ場情報を低次元の潜在変数に圧縮することにより特徴抽出を行い、その潜在変数の時間発展を支配する方程式をスパース回帰法を用いて導出した。この手法は円柱周りの非定常流などに対しては十分な精度での特徴抽出を行える一方、乱流に対してはさらなる低次元化の必要性が示唆された。
【研究の社会的意義】
本研究では、完全な流れ場データの低次元化による物理的理解にとどまらず、未知の物体周りの流れの予測や不十分なデータからの予測など、流体力学の諸問題への機械学習の応用が大きな可能性を有していることを示した。本研究の成果は、理論、実験、数値シミュションに続く「第4の流体力学」である「データ駆動流体力学」の基盤整備に貢献し、支配方程式・構成方程式が確立されていない流れ場データへの応用の可能性を示唆するものである。
【研究代表者】