上昇流嫌気性スラッジブランケット法による低濃度廃水の高速処理プロセスの開発
【研究分野】都市工学・衛生工学
【研究キーワード】
UASB / グラニュ-ル汚泥 / 嫌気性処理 / メタン発酵 / UASB反応器 / 硫酸塩還元菌 / メタン菌 / 可溶化 / スラッジブランケット法 / 二相消化 / 酸発酵 / セルロ-ズ分解菌
【研究成果の概要】
低濃度有機性廃水への嫌気性処理の適印性を検討するため、上昇流嫌気性スラッジブランケット型反応器(UASB反応器)(15.7l及び300l)を用い生活廃水とでん粉製造廃水の処理性能を検討した。
でん粉製造廃水の処理ではCOD容積負荷は、処理温度35度で25kg/m^3日まで維持可能であり、溶解性COD_<cr>及びBOD除去率はともに90%であった。しかし、全COD_<cr>除去率は容積負荷の増大とともに減少した。SS除去率も負荷の増大とともに50%(負荷2.5kg/m^3日)から17%(負荷22kg/m^3日)と減少した。
一方、生活廃水のような低濃度廃水の処理では、処理温度13〜25度の範囲で、滞留時間4.7時間では全COD_<cr>、溶解性COD_<cr>および溶解性BOD除去率は70,80および85%であった。
これ等除去率はCOD負荷の影響を大きく受けたが、スラッジベッド内に補足される有機固形物の加水分解反応は、温度の影響を大きく受ける事が判明した。
25度では固形物の58%が可溶化したが、13度では33%に低下した。また、顕微鏡観察の結果では温度の低下に伴いグラニュ-ル汚泥の一部は崩壊している判明し、低濃度廃水の処理では20度以上にUASB反応器を維持する必要性が指適された。
でん粉製造廃水のように低・中濃度(COD_<cr>2000〜3000mg/l)ではあるが、有機固形物を多く含む廃水では、固形物の前処理によって処理の高速化が達成される事が把握された。
【研究代表者】