周波数領域における非線形システム同定についての実用化検討
【研究キーワード】
非線形システム同定 / 深層学習 / 周波数 / 制御
【研究成果の概要】
AIの分野で機械学習が活発に研究されている。機械学習の中心テーマは「深層学習」であり,特に,画像認識や自然言語処理において精力的に研究されている。AIの得意分野が明らかになってきた一方で,まだ研究が十分でない分野もある。その一つが制御理論で対象としている動的システムである。機械学習を制御理論の言葉で置き換えると,本研究でターゲットとする非線形動的システム同定になる。この非線形動的システムの同定問題において,線形制御理論で重要な「周波数」を活用することが本研究のポイントである。そして,さまざまな実システムに対して非線形システム同定の適用を考察する。
本研究では,非線形動的システムをモデリングの対象とする。これまでシステム同定の主な対象は線形システムであり,線形性という利点のために「周波数」という「時間や空間」以外の仮想的な特徴量を用いることができた。それに対して,複雑な非線形システムを対象とする機械学習では,これまで周波数を利用することは陽には考えられておらず,時間や空間といった現実世界での解析・評価が行われていた。
今年度は,多数のパラメータを含む深層ニューラルネットワークの問題点に対処するため,深層ニューラルネットワークの軽量化についての理論検討を行った,代表的な軽量化手法の枝刈り法に着目して,再学習不要な枝刈り法を提案した。この提案法を,動的システムの非線形システム同定問題に適用した。提案した非線形システム同定法を非線形 linear Fractional Representation モデルに適用した。提案法を,非線形システム同定のベンチマーク問題に適用してその有効性を示した。
実問題への応用については,自動車エンジンの吸気制御系のモデリング,二次電池の状態量推定のためのモデリングなどへの適用検討を続けている。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
丸田 一郎 | 京都大学 | 工学研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
川口 貴弘 | 群馬大学 | 大学院理工学府 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)