核融合炉制御知能化の基礎研究
【研究分野】核融合学
【研究キーワード】
知的制御 / 核融合プラズマ / センサーフュージョン / 大型物理実験制御 / ニューラルネットワーク / ファジィ制御 / センサーフュージヨン
【研究成果の概要】
近年の制御概念の発展はめざましいものがあり、ファジィ、ニューラルネットワークをはじめとして、カオス理論の原子炉制御やプラズマ計測・制御への適用等、さらには、GA(遺伝的アルゴリズム)の制御システム等への検討が模索されている。これまでにファジィ論理制御をプラズマ閉じ込め制御に適用し、その有効性と限界をモデル化により明らかにしてきた。また、これらの工学的な手法を統合化しようとするセンサーフュージョンの普遍的概念の構築も進められてきている。
本研究では、知的制御方式の他分野での応用の現状を把握し、プラズマ・核融合炉制御システムへの適用を総合的に検討しようとするものである。これらの新しい制御法を核融合実験装置・核融合動力炉にも適用する場合の問題点を明確化し、トロイダルプラズマの制御のみならず、核融合炉全体の制御学の体系化に寄与することも目的としている.
平成9年度には、各種の知的制御適用例のサーベイを行い、プラズマ制御、核融合炉制御特有の諸問題への適用課題の整理を試みた。また、できるだけ広範囲の調査研究行うために、中国・北京で行われた「加速器と大型物理実験制御システム国際会議」に参加し、筆者の成果報告を行い、核融合炉以外の情報収集を行った。平成10年度にはソフトウェアの充実に努め、11月末の米国でのプラズマ制御の会議を主催・出席し、帰還制御のアルゴリズムを検討した。また、筑波の高エネルギー物理研究所で行われた加速器制御国際会議PCaPAC'99において、LHDに関する制御研究の成果報告を行った。平成11年度は最終年度であり、LHD実験での閉じ込め制御の成果と炉システム制御の研究成果を欧州及び米国で発表し、MHDモードの能動的制御のための会議を日本原子力研究所で開催して、関連の研究課題をまとめた。
【研究代表者】