ワイドギャップ半導体におけるケミカルドーピングの学理構築と新材料開拓
【研究キーワード】
第一原理計算 / 機械学習 / 半導体 / ドーピング
【研究成果の概要】
系統的な第一原理計算とその結果の機械学習により、無機化合物における固有点欠陥の形成挙動・電子状態と様々な形態でのドーパント添加によるキャリアドーピングの有効性を、半導体としての応用に関わる種々の基礎物性と併せて俯瞰的に考察し、ワイドギャップ半導体の設計・探索の指針を構築することを最終目的として研究を推進した。本年度は、昨年度から開発を進めている高精度と高速を両立させたハイスループット第一原理計算及び機械学習に基づいた基礎物性・安定性・キャリアドーピングの予測技術の高度化を進めるとともに、特定の既知・新規物質の基礎物性と点欠陥・キャリア形成挙動の詳細な考察、候補物質のハイスループットスクリーニングの試行、予測された物質の合成と電子・光学物性評価を継続した。その結果として、代表的なp型ワイドギャップ半導体である銅系複合酸化物の固有点欠陥とドーパントを改めて理論的に検討し、ドーピングに関わる様々な因子を明らかにすることで、新材料系を用いたp型ワイドギャップ半導体の設計及び探索のための有益な指針を得た(2021年10月にPhysical Review Materials 誌に出版)。また、3元系亜鉛窒化物に関して、2つの新物質の存在とそれらの結晶構造、電子構造、光学物性、点欠陥特性を第一原理計算により予測するとともに、各物質の合成及び評価実験から結晶構造と光学物性に関する理論予測を実証した(2021年4月及び10月にChemistry of Materials誌に2編の論文を出版)。その他、ハイスループット第一原理計算及び機械学習を用いた物質探索の効率化手法の開発に関して、上記の最終目的を達成する上での基盤的な成果を得た。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
野瀬 嘉太郎 | 京都大学 | 工学研究科 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
高橋 亮 | 東京工業大学 | 科学技術創成研究院 | 助教 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(A)
【研究期間】2020-04-01 - 2025-03-31
【配分額】44,590千円 (直接経費: 34,300千円、間接経費: 10,290千円)