セラミックス繊維強化金属複合材料のキャラクタリゼーション
【研究分野】金属材料
【研究キーワード】
内部摩擦 / 複合材料 / SiC / Al / キャラクタリゼーション / A1 / 内部摩擦ピーク / 方位依存性 / PCS SiC繊維 / Al複合材料 / 会振巾依存性 / 会同温度依存性 / 会周波数依存性 / 炭化けい素繊維 / 界面構造 / 強度特性 / 照射効果 / 電顕観察 / プリフォームワイヤ
【研究成果の概要】
本研究はSiC/Al複合材料を1つの例とし金属系複合材料に於て最も大きな問題となるマトリックスの内部歪及び界面における化学的変化を電子顕微鏡のみならず構造敏感な性質である内部摩擦測定法を通じて計測しそれをキャラクタリゼーションの1つとして用いることを目的として行ったものである。実験方法としては周波数、温度に関して幅広いスペクトルを計測するため2つの装置を作製した。1つは10^<-5>〜10Hzの間で振幅を10^<-5>〜10^<-3>程度まで変えられる強制ねじり試験装置、他の一つは歪振幅は10^<-5>以下であり周波数は数kHz〜数100Hzの範囲であるが温度範囲が-200℃〜600℃迄広げて測定できる静電型横振動内部摩擦測定装置である。また電顕観察には2000FX(JEOL)が用いられた。周波数依存性ではP1、P2およびP3のピークが計測され、P1は転位に基くボルドニピーク、P2は転位と溶質原子の相互作用、P3はより間隔が広く固着力の強い不純物原子との相互作用として考えられたが、P3はSiC/Al系特有のピークとして検出され今後のキャラクタリゼーションに役立つものと考えられる。周波数依存性でも室温極低周波で複合材料特有の緩和が認められた。これとP3との関係は興味深い。歪振幅依存性からは転位の不純物原子による固着が考えられた。大振幅領域では転位の増殖と点欠陥による固着などに依った内部摩擦変化が認められた。ファイバーの方向依存性は0°〜90°の間で測定されたが内部摩擦は90°で最も大きく0°で最も小さかった。これは90°方向の場合に応力集中が存在するためであると考えられる。またファイバー容量が増大すると内部摩擦は増大した。以上の結果は電顕による転位密度増大、溶質原子の溶け出しの証明とも一致しており、複合材料のキャラクタリゼーションに内部摩擦は有力な手段と成り得ることを明らかにした。
【研究代表者】