金属ナノ接点の力学特性におけるエントロピー効果
【研究キーワード】
その場TEM / TEM / FM-AFM / ナノ材料 / 力学的性質 / 金属ナノ接点 / ヤング率 / その場TEM観察 / ナノ接点 / 透過型電子顕微鏡 / 原子間力顕微鏡 / 周波数変調 / 力計測
【研究成果の概要】
長辺振動水晶振動子(Length Extension Resonator)の力センサーを備えた透過型電子顕微鏡 (Transmission Electron Microscope)ホルダーを開発し、この水晶振動子を用いたナノメカニックス測定法を確立することを目的とした。この手法を用いて、白金原子鎖内の原子間結合スティッフネスが約 25 N/m であり、バルク結晶内の原子間結合スティッフネス、20 N/mよりも高いことを明らかにした。さらに、初期には0.25 nmであった原子結合長さが、0.31 nmまで弾性的に伸び、その結果、25%と極めて大きな弾性歪みを有することが明らかになった。
【研究の社会的意義】
ナノ材料の力学的性質の解明は、NEMS、センサー、ナノデバイスなどの開発に欠かせない、極めて重要な課題である。しかしながら、ナノ材料の場合、表面効果、量子閉じ込め効果などにより、バルク結晶とは異なる力学的性質を有するが、形状や原子配列に敏感なため、明確に理解できていない。今回、研究代表者らは、従来にない新しい手法を開発することで、ナノ材料の力学的性質をより高い精度で測定できることを示し、そのエビデンスとして、白金原子鎖における個々の原子間結合スティッフネス測定を行った。本研究は、ナノ材料の力学的性質の解明にブレークスルーをもたらす成果である。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
三宮 工 | 東京工業大学 | 物質理工学院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2018-04-01 - 2021-03-31
【配分額】17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)