バングラデシュにおける地下水中のヒ素除去対策に関する実証的研究
【研究分野】土木環境システム
【研究キーワード】
バングラデシュ / ヒ素 / 支払い意思額 / 簡易モニタリング / グアバ法 / 鉄とヒ素との共沈 / 住民意識 / デモンストレーション / 地下水 / ヒ素汚染 / 適正技術 / グアバ / 支払い意志額
【研究成果の概要】
バンングラデシュのヒ素問題を解決するためには、ヒ素除去及び他の代替水源などの装置を導入することが必要であることが政府と外部援助機関の共通の認識となっている。しかし、NGOが主導的である援助活動においては、(1)装置が高価であること、(2)使用上・維持管理上の問題があること、(3)地域住民のヒ素問題に対する意識が低いこと、(4)ヒ素汚染地域が広範囲にわたることなどにより、実際の装置の設置率は低いレベルにとどまっている。ヒ素問題を解決するためには、様々なヒ素除去装置を使用し、継続的に原水、処理水の水質検査のモニタリングを行う必要がある。しかし、通常のヒ素分析用具は輸入品であるため高価であり、ヒ素除去状況の日常的なモニタリングに用いることが困難である。したがって、バングラデシュにおけるヒ素汚染問題を解決するためには、(1)安価なヒ素除去装置の普及を目的とする住民の支払い意志額を増加させるような活動、(2)設置されるヒ素除去装置について、貧困層でも簡易にヒ素除去モニタリングを行える手法の開発、などが重要である。
本研究では、(1)現地で入手可能な材料であるグアバ葉を使用してヒ素除去のモニタリングを行う手法(以下グアバ法とする)について、グアバ葉抽出液を用いて鉄濃度を推定し、鉄と共沈するヒ素の除去率を間接的に推定する手法を開発する、(2)バングラデシュ村落部の調査対象村において、ヒ素汚染の実態を把握する、(3)地下水が黒く着色するグアバ法を用いたデモンストレーションを行うことにより住民の支払い意志額やヒ素汚染問題に対する住民意識がどう変化するかを明らかにした。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
福士 謙介 | 東京大学 | サステイナビリティ学連携研究機構 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2005 - 2007
【配分額】11,150千円 (直接経費: 10,400千円、間接経費: 750千円)