高度制御高電圧バーストパルスを用いた水面上パルス放電による気液界面現象の解明
【研究キーワード】
水面上パルス放電 / パルスパワー / 気液界面 / ラジカル / イオン
【研究成果の概要】
液面放電を連続的に発生することが可能な高電圧バーストパルス発生電源の開発を行った。構成として、パルス電源には、MOS-FETとコンデンサによって構成した回路を用いた。パルス電源は2回路用い、その出力端を、ダイオードで結合することによって、200 ns以上の遅延時間で連続的に2回のパルス電圧の発生を可能とした。またパルス幅は200 ns以上で可変であり、制御性が高いことを確認した。パルス発生電源の開発に平衡して、単発パルス放電の特性評価を行った。ICCDカメラは露光時間を20 nsとして連続的な撮影を行った。その結果、液面放電の進展速度は導電率に依らず0.3~0.4 mm/ns程度となり、正極性に比べ負極性の方がわずかに速度が速いことがわかった。放電の様相も正極よりも負極の方が直進に進展しており進展長も長いことがわかった。放電の進展長は、導電率が高い場合に減少する。次に、有機染料であるインジゴカルミンをヒドロキシラジカルの化学プローブとして用い、溶液中へのラジカル供給効率を評価した。有機染料の分解量すなわち、溶液へのヒドロキシラジカルの供給量は正極の方が大きいことがわかった。また、ヒドロキシラジカルの再結合によって生成される過酸化水素を測定したところ、過酸化水素の生成量も同様に正極の方が大きく、溶液へのヒドロキシラジカルの溶解量が大きいことがわかった。また、また,接地電極材料として鉄や銅を使用した場合、それぞれ正極、負極性に、白金やステンレスを使った場合と比較し、有機染料の分解量が増加する傾向にあることがわかった。これは接地電極から溶け出した金属イオンによる酸化力が要因だと考えられる。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
高木 浩一 | 岩手大学 | 理工学部 | 教授 | (Kakenデータベース) |
竹内 希 | 東京工業大学 | 工学院 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】基盤研究(C)
【研究期間】2021-04-01 - 2024-03-31
【配分額】4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)