戦前-戦後移行期における都市計画の再評価と計画システムの連続性の検証
【研究キーワード】
都市計画史 / 地方計画論 / 近隣住区 / 都市不燃化 / 戦災復興 / 近隣住区論 / 地域開発 / 新興工業都市 / 設計標準 / 新興工業都市計画 / 防火ブロック / 住宅問題委員会
【研究成果の概要】
本研究は、戦時下に日本の都市計画の原型が確立し、戦災復興から高度経済成長期にかけて試行錯誤も含めて多面的な都市計画が展開されたという見通しか ら、戦時下から戦災復興を経て高度経済成長期にいたるまでを「戦前-戦後移行期」と定義し、A.当時の都市計画について最重要課題であった1広域計画、2地 域開発、3都市不燃化の観点から再評価し、その上で、B.戦前-戦後の計画システム(I.計画理論、II.計画技術、III.計画体制、IV.事業化)の連続性(あるい は断絶)を検証する作業を通して、日本の都市計画に通底する特質を明らかにするとともに通史の再構築を目的としている。 本年度は、個別事例の研究として挙母(現豊田市)の新興工業都市計画を事例に調査・分析を行い、戦時下の新興工業都市計画の計画・事業化について明らかにする とともに、戦後の自動車業の発展にともなう都市基盤整備について高度経済成長期までを明らかにした。その結果、国内でも他の類例をみない完遂したパークシステムが構築されていることを発見した。また我が国の都市計画において重要な計画理論である近隣住区論が戦時下にどのように導入されたのかについて建築学会住宅問題委員会と日本生活科学会における調査・検討の内容から明らかにした。 また研究分担者と都市計画史研究会を3回開催しており、第一回では国土計画・広域計画の戦前戦後の連続性について、第二回では 内田祥三のプランナーとしての創造性、第三回では戦前-戦後の土地区画整理の設計標準に関する議論を行った。
【研究代表者】