広域ネットワーク人流シミュレーションによる統合的バリアフリールートの整備デザイン
【研究キーワード】
バリアフリールート / ネットワーク分析 / 人流シミュレーション / エビデンス・ベースド・デザイン / 最適化 / SP調査
【研究成果の概要】
研究期間全体の研究計画は、課題A:個人ベースの移動行動の把握 → 課題B:広域ネットワーク上の緻密な移動流シミュレーション → 課題C:バリアフリールートの全体最適化に向けた提言、という3課題から成る。2年目である2021年度は、課題Aと課題Bを主に実施した。
課題Aとしては、前年度に行ったパネル調査についての分析を深めて論文にまとめ発表を行った。それにより例えば、どのような交通弱者がどのような目的と交通手段でどのように移動しているかや、鉄道駅施設のバリアフリー化に対して高齢者がどの程度の支払意思額があるかなどを明らかにした。また新たな調査として、Nested Logit(NL)モデルに基づく経路選択行動モデルに整合的な、街なかの移動と鉄道の乗車を含む経路についてのStated Preference(SP)調査を設計し、車いす利用者およびその介助者を対象として実施した。
課題Bとしては、前年度に整備した広域鉄道網歩行空間ネットワークモデルを用いた分析を行った。経路の速達性や安全性を評価する指標を提案し、それを用いて鉄道駅を中心とする空間構造に対する車いすのアクセシビリティを評価した。また鉄道に乗車して複数駅を使う一連の移動についてのアクセシビリティ評価も行った。これらについても論文にまとめた。加えて上記のSP調査の結果に基づくNLモデルを構築し、車いすの経路選択特性を明らかにしている。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
丹羽 由佳理 | 東京都市大学 | 環境学部 | 准教授 | (Kakenデータベース) |
日下部 貴彦 | 東京大学 | 大学院工学系研究科(工学部) | 特任准教授 | (Kakenデータベース) |
|
【研究種目】基盤研究(B)
【研究期間】2020-04-01 - 2023-03-31
【配分額】16,640千円 (直接経費: 12,800千円、間接経費: 3,840千円)