空間構造の形態生成・制御に関する基礎的研究
【研究分野】建築構造・材料
【研究キーワード】
空間構造 / 形態解析 / 形態生成 / 形態制御 / 不安定構造 / 張力導入 / 一般逆行列 / 最適形態 / ホモロガス変形 / ホモロジー設計 / 逆解析 / 任意形状シェル
【研究成果の概要】
シェル構造,スペースフレーム,膜構造で代表される空間構造は形態抵抗型構造で設計時における形態決定は重要な課題となっている。本研究では種々の構造性能を満足する構造形態の数理解析法を開発する。
構造を表現する3個の基礎概念は力,形,材料であり,これらの概念を定式化したものが構造解析の3個の基礎方程式である。つまり、(a)釣合方程式,(b)適合方程式,(c)構成方程式である。これらの基礎方程式に立脚する形態解析を調べるとともに,構造物の形態解析と創生について基礎事項をもとめた。
前述の応用として,ケーブルと剛体構造による張力安定複合構造を取り上げ,次の研究課題に関する理論的考察をおこない,解析法を提案した。(1)安定,不安定の判別法,(2)不安定複合構造の安定化移行過程の追跡法,(3)張力導入の可能性の判別法,(4)張力導入による安定化,(5)応力・変形解析。剛体構造の形状は設計に応じて種々の形状となる。そのため,本研究では,剛体構造の重心位置において自由度を考えるのではなく,剛体構造の表面にある節点とケーブルの両端にある節点のみに変位の自由度を許容する新しい定式化を行っている。付帯条件を効率良く処理するため一般逆行列とボット・ダフィン逆行列を利用している。
空間構造は形態抵抗型構造で使用時に形態によって外乱に対する抵抗能力が左右される。そのため,最適形態に関する研究は設計時において形態を決定する際のひとつの基準を与えることになる。さらに,最適形態は種々の環境条件や目標によって異なる形態となることから,形態自身を環境に応じて制御できる形態制御構造の開発が必要である。本研究では,アクチュエータを組み込んだトラス構造をモデルに,アクチュエータの配置理論および構造解析理論を提案している。さらに,振動時の応答制御について解析し,有用性を検討している。
【研究代表者】
【研究分担者】 |
川口 健一 | 東京大学 | 生産技術研究所 | 助教授 | (Kakenデータベース) |
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【研究種目】一般研究(B)
【研究期間】1994 - 1995
【配分額】7,300千円 (直接経費: 7,300千円)